【ＢＬ】壊れた人形 (ページ11)

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白い壁と床が一面に続き、目が痛くなりそうだけど不思議とならない。

そして、ジャポン玉のようなふわふわしたものに包まれている。身軽で空も飛べそうなくらいだ。

「夢……？」

顔を優しく叩くが無痛、ここは多分夢の中。

そして身体を確認しようと、
足を見ると赤い毛糸のようなものが足枷のようにどこかに続いている。

うざったらしく足の部分だけ感覚がある。

引っ張っても、噛み切ろうとしても取れない。

痺れを切らし、繋いである場所に向かって走る。

シャボン玉のような球に包まれているため、うまく感覚がつかめない。

ふらふらと不安定ながら進んでいると、頭を抱えた男の後ろ姿が見える。

『一度、教育された人間はもう元には戻れない……か』

分厚い本をめくる男が小さく呟いた。

同時に溶けるように消えてしまった。その姿はどこか懐かしく、胸が締まった。

そして、進めと言わんばかりに奥に光が見える。

意を決して進むと、
光は影遊びをしている小学生入りたてぐらいの子供と先程の男だった。

子供は先程の男を“パパ”、男は子供を“ドール”と呼び合っている。

そしてまた溶けるように消えた。

これを見て、僕は察してしまった。

前の主人と幼少時代の僕だと。