Simp21 ページ21
.
.
「そんな冗談やめてください」
WN「冗談に見える？」
そういって私の手に重ねられた先輩の手は
大きくて、ごつごつしてて、温かくて。
「お酒飲んでますし...」
WN「俺、酔ってないよ」
机の上に並べられた空き瓶の数は
べろべろになってもおかしくない量なのに。
「先輩...だめです」
WN「なんで」
そうやって私を見つめる目が
やっぱり艶っぽくて、私には重すぎる。
「先輩も忘れられない人がいるから逃げたいだけでしょ」
WN「ん〜そうかもね」
痛いとこつかれたな、なんて笑っているから
やはり冗談だったんだとホッとしたのも一瞬だった。
WN「だからって恋愛しないわけじゃないし、関係ないよ」
「え？」
WN「確かに忘れられない人はいるけど、好きなわけじゃないし。
今気になってる人に利用されたくて口説いてるんだけど。」
外された視線がもう一度私を捕らえる時。
私の鼓動が波打つのがわかる。
「何、言ってるんですか...」
WN「その顔やめて」
困ったように頭をかいて私からまた視線を逸らす。
お願い。
これ以上私を揺さぶらないで。
私の心を温めないで。
自分が一体どんな顔をしているかなんて想像もつかない。
頬がやけにほってているのだけはわかる。
WN「早くやめて」
「そんなこと言われても、」
WN「はぁ..」
その表情が
その声が
私を高ぶらせるのには十分すぎる。
WN「我慢してあげる」
「我慢...？」
WN「今日だけね」
なんて言って伝票をもっていくから
急いで自分の荷物を持ち走って追いかける。
「お金！！っ。」
WN「ん？いらないけど」
「悪いです、」
WN「今日は最初から御馳走するつもりだったから」
「いや、..」
WN「さっきまで奢れって言ってたくせに (笑)」
ばかみたいで恥ずかしくなる。
WN「ほら、歩いて帰るよ」
そういって歩幅を合わせてくれる優しさが
むずむずする。
新入社員、出会ったばかりなのに...
この人本当は危ない人なんじゃないかなんて。
くだらないことを考えるのはやめよう。
火照った頬の熱はまだひかない。
それもこれも全部先輩のせいだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1532人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さき(プロフ) - スングァン推しにはたまらない最高すぎる作品です！どうかお願いなので完結してほしいです、、、楽しみにしています！！ (3月27日 0時) (
レス) @page28 id: f0a266abd8 (このIDを非表示/違反報告)
OO - 初コメ失礼します。本当に最高の作品です…出会えてよかった！これからも更新楽しみにしてます！ (2月27日 0時) (レス) @page27 id: 1c5ed37b8c (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - こころがくるしー！SGの珍しくって気になって見ちゃいました！他の人も出るのかなぁなんて思いながらワクワクしてます！更新待ってます！ (2月5日 2時) (レス) @page26 id: 9dcff58a0e (このIDを非表示/違反報告)
しゅーまい(プロフ) - 初コメ失礼します。切なすぎてキュンキュンしながら毎回読ませてもらってます。更新頑張ってください！応援してます (1月14日 19時) (レス) @page23 id: efd215a404 (このIDを非表示/違反報告)
yuimii1228(プロフ) - ぶーちゃん主役の小説少なくて、素敵な内容ですごく楽しみにさせていただいてます(^^)更新楽しみに待ってます♪ (8月19日 0時) (レス) @page12 id: d7f6e183fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Buu | 作成日時：2023年8月15日 23時
