後輩くんたちと私≪黒≫≪青≫【Snow Man】 (ページ33)

今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:48,381 hit

32,確信【side目黒】ページ33

ビクッとした、Aさんを俺は見逃さなかった。

潤む瞳
泳ぐ瞳

ちょっと、ドS心が働いていじめたくなった気持ちを頑張って押さえつつ、聞く。

本当は、知ってますよ。
レイプされてたって過去。
でもごめんなさい、貴女の口からききたいです。

「その、まだ、言いたくない」

「・・・そうですか」

やっぱりね。
Aさんにとっては、辛い過去だもんね。
でも、それも計算のうちだった。
俺は、コーヒーを一気に飲んだ。

「送っていきますよ」

「え？私なんかが大丈夫なのに」

へらって、笑うAさん。
平気じゃないかもしれないんでしょ？

「女の子ですから」

そういうと、Aさんは少し頬を赤らめて、「ありがとう」と言った。
その表情にドキッとしつつ、俺はポーカーフェイスを装う。
コーヒーのお金を払って、ハンカチを取りに行こうと思ったけど、Aさんが洗濯して持ってきてくれるって言うから、部屋には上がらないことにした。

家について、Aさんがドアノブに手を掛ける時だった。
中々、手を掛けようとしなくて、俯いていた。

？？

「どうしたんすか？」

「め、目黒くん・・・、助けて」

「え？」

か細い声だった。
俯くAさんの顔を覗き込むと、急に俺の首に抱きついてきた。

え、天国？
あの、Aさんから俺、抱き付かれてるよ？？

でも、理由はすぐにわかった。

「・・・あ」

Aさんのドアノブには、多分、男性の精液的なものがついていた。
俺は確信した。

Aさんはストーカー被害に遭ってる。
俺は確信についた。
翔太くんの言ってた事、感じてた事は、当たっていた。

震えるAさんの背中を優しく撫でる。
バッと、顔を上げたAさんは、涙目で訴え掛ける。
俺は、小さく聞いた。

「いつから？」

「このストーカーは、３ヶ月前くらいから・・・」

このって、事は違うストーカーもいたんだな。

震えの止まらないAさんを支えながら、ティッシュでとりあえず拭いて(キモかった)、中に入る。

不幸中の幸いで、中は荒らされてはいなかった。

グタッとする、Aさん。
膝を抱えて、涙声で言った。

「目黒くん、今日泊まってってくれない？」

「・・・え？」

俺は、耳を疑った。
あの、Aさんが。
あんなに帰れ帰れ言ってた人が、こんなことを言ってくるなんて。

理性保てるのかな。