27,パスタ【side阿部】 ページ28
「Aちゃん、お疲れ。
あ、今日はスカートなんだ！しかも短めだし、珍しいね！俺のために？」
であった瞬間に弾丸トークになっちゃった。
Aちゃん、いつもの硬い感じてなくてすごく女性っぽくて可愛かった。
ちょっと、ぽーっと見ちゃったもん。
Aちゃんは恥ずかしそうに髪の毛をかき上げたけどそれもまた、セクシーだった。
「とっ、とりあえず中に入らない？？」
「そうだね、立ち話もなんだし」
クスクス笑いながら、扉を開けてあげた。
Aちゃんはペコって頭を下げながら入っていく。
あー、そういうところ、本当に好きだな。
店員さんに案内されて、窓際の席に着く。
頼むものを決めて、注文する。
「で、阿部ちゃんどうしたの？」
ひどいなぁ、会いたいからって、言ったのに。
Aちゃんは、俺の事を一人の男として見てくれてないらしい。
「久々にちゃんと会いたかったから」
「そっか、ありがとう」
ニコって笑うAちゃんは、可愛かった。
いつも、笑えばいいのに。
「なんか、お話とかあった？ここでも大丈夫？」
「大丈夫大丈夫。
ね、俺らってどう見られるんだろうね？
カップルに見えるかな？」
「見えるんじゃない？」
そう言って、お冷やを飲むAちゃん。
誤解するから、やめて欲しい。
俺、意識しちゃうよ？？
Aさんって、職場では呼んでる俺。
でも、プライベートではAちゃんって、呼んでる。
カップルみたいなんて、好きな子から言われたら幸せじゃん。
「Aちゃん、あのさ・・・」
「？？」
「俺さ、独立しようと思ってて。
もしよかったらAちゃんも来ない？」
「え？」
「パスタお持ちしました〜」
いいときに、店員さんが来た。
まぁ、仕方がないけど。
Aちゃんはペコって頭を下げて。
でも、俺の話に目を大きくしてた。
「阿部ちゃん独立するの・・・？」
「うん。だからAちゃんも来ないかなって」
「・・・」
Aちゃんは、うーんって考えてる。
そして、ゆっくり口を開いて、言った。
「今の仕事はやり甲斐があって、楽しいのよね。
でも、そろそろ違うお仕事をしたい気持ちもあるかな」
「じゃ、じゃあ・・・」
「はい、前向きに考えさせて下さい」
神様ありがとうー！！！
ペコってお辞儀するAちゃんに、慌ててお辞儀を返す俺。
まじで？
嬉しすぎて泣きそうだよ？
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作者名：るる | 作成日時：2020年5月13日 6時
