後輩くんたちと私≪黒≫≪青≫【Snow Man】 (ページ2)

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01,新人研修① ページ2

「Aちゃんせんぱーい！！」

今日は新人研修がある日。

私は新人研修の説明会のために、新人さんに配る資料を会議室に運んでいた。

くるっと後ろを振り替える。

私の名前をこう呼ぶのは、会社内で彼しかいない。

「翔太くん」

「なになにー？」

「いや、私に用があったんでしょ？
もし、用がないなら、これ、第三会議室に一緒に運んで欲しいな」

「・・・いや、俺、忙しいんで」

後ずさる翔太くんの首根っこを掴みたくなったけど、両手で持っているために出来ない。

「Aちゃん先輩、なんで誰にも頼ろうとしないで一人でやろうとするんですか？
俺だったら他の人にも頼るのに」

「はいはい、私は可愛くないですねっ」

そう言いながら、翔太くんをほっといて会議室に向かう。
後ろから、慌てた翔太くんの声がする。

「嘘ですウソウソ！
重そうに持ってたので、手伝いに来たんです～！」

翔太くんは私の前に回り、私が両手で持ってる資料の３分の２ほどをガバッと持ってくれた。

「さすが、男の子ね。
ありがとうね」

「・・・っす」

小さく呟くと私よりさっさと会議室に行ってしまった。

会議室に着くと、新人さん５人が緊張してイスに座っていた。

「先輩、こっちこっち」

こういう場では「Aちゃん先輩」と呼ばないずるさ。
私は、翔太くんに呼ばれ、教壇のようなところに資料を積み上げる。
それにしても、美男美女が揃ってる。

「失礼します、少々お待ちください」

「お待ちください」

私たちはペコっと一礼すると、会議室から出た。

瞬間、扉が開いた。

「きゃっ！！」

「すいません！！」

「だ、大丈夫です・・・」

と、言いつつ突き指しちゃったなぁ。
ぶっちゃけ痛い。
扉を開けた男の子は、背の高く、顔の整った美男子だった。

「Aちゃん先輩、大丈夫！？」

「あ、大丈夫・・・」

翔太くんが後ろに倒れて尻餅ついてしまった私を、片腕で持ち上げた。

「すいません、本当に、すいませんっ！
怪我、してないですか・・・？」

それが、後の目黒くんでした。