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4話 現実 ページ5

「……姉は、殺されました」



最初、しのぶちゃんの言っている

言葉の意味が分からなかった。

だけど、数秒が経過して

私の顔から血の気が引いた。

「…カナエちゃんが、殺された?」

何かの冗談かと思った。

だけど、しのぶちゃんの目は本気だ。

人間っていうのは、極限まで驚くと

声すら出なくなるらしい。

証拠に、私は暫く声を発せずにいた。

「…Aさん」

そんな私の名前を、しのぶちゃんが優しく呼んだ。

「姉を殺したのは、上弦の鬼です」

「上弦の鬼…」

きっと、その鬼は相当強かったのだろう。

カナエちゃんは柱の中でも、剣術がとても優れていた。

彼女が鬼に負けたなんて、とても想像も出来ないほどに。

しのぶちゃんは、私の目をじっと見ていた。

その目からは、今まで感じたことのない

やり場のない怒りや憎しみが感じられる。

私の胸にも、色々な感情がおりてきた。

だけど私は、押し寄せてきた感情を

無理やり心の奥底に押し込めた。

それと同時に、込み上げてきた涙も

目を瞑って必死にこらえた。

ここに、隠がいたのが幸いだったのだ。

鬼殺隊を辞めてから 2年経っているとはいえ

私のことを知っている人もいるだろう。

泣いている姿を見せるなんて、情けなさすぎる。

「そう」

私はそう言って、天を仰いだ。

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設定タグ:鬼滅の刃 , シリアス , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:紅月夜。 | 作成日時:2020年3月10日 13時

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