獄卒少女、6話を知る ページ8
落ち着け、何も怖いことなんてないだから落ち着くんだ。深く息を吸って、吐く。表情に余り出ないことを逆手に取り、何事も無かったかのように驚けばよい。不自然に見えないように、慎重に。私はやればできる子である。なぜなら私は獄卒勤務が
「あのー？」
「…！？」
無理だ。当然である。
おずおずと観察すると、対象は目を点にして、顎が外れるほど縦に大きく開いている。
「烏野高校に用事？」
「…はい、転入することになりました。」
訂正。対象は優しくていい子だ。
普通は、変な声を出したことを笑うのだろうが、彼はそうしなかったのだ。
「そっかー！俺1年の日向翔陽！君は？何年生？」
「…1年、十六夜 白」
それを聞いた対象…日向翔陽は嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「同い年！同じクラスだといいな！」
「…ああ。」
会話能力高いな日向翔陽。
この短い会話の中でもわかることだが、恐らく日向翔陽は平腹と同じように対話能力が高い。平腹は初対面でいきなり無神経なことを直接本人に伝えるきらいがある。あの癖はどうにかして欲しい。この前も他部署の者に｢髪の毛まだ再生できてないじゃん｣なんて馬鹿正直にのたまったものだから、尻拭いが大変だった。
閑話休題。
日向翔陽が戸惑うこちらをお構いなしににこにこと笑顔を浮かべていると、呼出がかかった。部活動の最中だったのだろうか。早朝なので、朝練というやつだろうか。未知の世界である。否、そもそも学校というもの自体未知の世界であるのだが。
「すみません！またね！」
「…ああ」
嵐のように帰って行く日向翔陽の背を見つめると、数秒でみえなくなった。
…心が優しそうな良い子であったな、日向翔陽。あの人間の優しき心が亡者に利用されぬように、護衛の任を果たすのだ。拳を握り、これからこの場所で生きていく(死んでいる身で変な話だが)覚悟を決める。
まずは職員室をさがさなければ。担任の先生とやらに挨拶するところから転入生というのは始まるらしい。平腹が気紛れに語ってくれた漫画知識だけが頼りだ。手探りになりながら、ここでの生活に馴染めるように努めようではないか。
右足を出し、砂を踏みしめる。初めまして、未知の世界。無知なるが何卒よしなに。
さあ、学校生活の始まりだ。
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雪待月(プロフ) - nyankoaisufai^^さん» そうですねぇ。手榴弾は投げますが、ナイフは投げないので( ´▽｀) (2016年7月25日 10時) (
レス) id: daa4a5e450 (このIDを非表示/違反報告)
nyankoaisufai^^ - あれ？十六夜って東●？ んな分け無いか(´▽`)ahaha (2016年7月24日 13時) (レス) id: 2e9a962cec (このIDを非表示/違反報告)
死音心音(プロフ) - でもやっぱり「白」だと、話の中の白いって単語に引っかかって、例えば22話の「青白い」って単語に「青(主人公)い」ってなっちゃうんですよねぇ… (2016年4月26日 19時) (レス) id: e79a6803fb (このIDを非表示/違反報告)
雪待月(プロフ) - 死音心音さん» 一応時代背景(？)とかを考えて漢字にしたのですが…白ではおかしいでしょうか…？名前だけカタカナというのも違和感がありますし… (2016年4月26日 18時) (レス) id: daa4a5e450 (このIDを非表示/違反報告)
死音心音(プロフ) - 雪待月さん» そうですね・・・そっちの方が名前っぽくていいですね！ (2016年4月26日 18時) (レス) id: e79a6803fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪待月 | 作成日時：2016年3月16日 14時
