【ハイキュー】獄卒少女は何を知る？【獄都事変】

獄卒少女、23話を知る ページ27

「…こんばんは亡者さん。貴方を倒しに来ました」

フェンスの近くに佇む亡者。
髪は長く、一昔前の烏野高校の女子制服を着ている。

「亡者さんなんて呼ばないでよ、私はフユっていう名前があるんだから。それで？何かようかしら？」

こちらを振り返り可憐に微笑む。
その笑顔からは気品を感じる。

…音楽室、理科室、女子トイレ、保健室、そして屋上。
どうして今まで忘れていたのか。
この組み合わせは烏野高校に伝わる一つのストーリーではないか。

「…烏野高校の七不思議の一つ。〈忘却校舎〉。それを引き起こしているのは貴女ですか？フユさん」



〈忘却校舎〉。それは一人の男子生徒が卒業後の整理整頓をしていた時に起こった。

修学旅行で班の皆と撮った写真。それに知らない男子生徒が写っていたのだ。
写真の中ではとても自分と仲良く見えるが、自分はそんな人物を知らない。
不気味に思った男子生徒は同じ班の東京に行った友人に電話で訪ねた。
「なぁ、この写真のコイツって誰だ？」
「何言ってんだよ。ソイツはｻﾞｰｰだろ？あんなに仲良かったじゃねぇか。」
電話口から聞こえてくるのは奇妙なノイズと怪訝そうな友人の声。
その写真をジッと見ていると頭に声が響く。
「…ﾂｹ……ｹ……。」
急いで手を離したが、収まることは無かった。
耳を塞いでも聴こえてくる。
つぎの日も次の日も声は止まなかった。
ある日ストレスから少年は怒鳴った。
「うるさい！！誰なんだよお前は！！俺はお前の事を知らねぇし、何なんだよ！！」
すると声は少しずつ小さくなり、やがて収まった。
その日から声は聴こえてない。
後日そのことを友人から聞かれたが、少年はこう言ったそうだ。
「そんなことあったか？写真には誰も写っていないぞ。」と。


まぁ、ようするにこの校舎に来てしまった人は人々の記憶から消えていき、その存在が無かったことになる。という話だ。


「えぇ、そうよ。だって忘れてしまっても世界は変わらないじゃない。それのどこが悪いの？」

「…生者に危害を加えたことです」

「あっそう。でも貴方もこの校舎に来てしまったから無意味になったわね。ここから帰ることは私が許可しないとできないんだから」

自分は悪く無いかのように振る舞うフユさん。
大変イラっとくる。

獄卒少女、24話を知る→←獄卒少女、22話を知る

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す