【立花慎之介】パパとママはじめます

パパとママ３１日目 ページ38

(貴)「慎ちゃんは一番長く一緒に居るから、近すぎるから、“好き”だけど
　 その“好き”がどういう“好き”か分からなくなっちゃった・・・」

(由)『うん』


由紀奈は静かに私の話を聞いてくれた


(貴)「ねぇ、由紀奈？」

(由)『ん？』

(貴)「“好き”ってどんな感じ？」

(由)『ん〜・・・
　 私はね、最初は一緒に居ると楽しいとか落ち着くとかだったけど
　 だんだん一緒に居ないとダメな存在になってたよ』


一緒に居ないとダメな存在・・・


(由)『高校生の時は聡と一緒に帰って、家まで送ってもらってたけど
　 その帰る時間が一番好きな時間で、一番嫌いな時間だったの』


(貴)「一番嫌いな時間？」

(由)『うん
　 一緒に帰っている時は２人だけだから学校に居る時よりも楽しくて嬉しかったよ』

(貴)「うん」

(由)『だからこそ、私の家に着いちゃったときは離れるのが嫌でいつも泣きそうになってた
　 だから、できるだけゆっくり歩いたりたまに寄り道したりして
　 できるだけ長く一緒に居れるように頑張ってたな』


できるだけ長く一緒に居れるように・・・

私はずっと慎ちゃんといるから慎ちゃんがいるのが当たり前になってて
会おうと思えばすぐに会えた

学校から帰ってきてもいっつもどっちかがどっちかの家に行ってて
泊まってくこともあったし

家に行かなくても私の部屋と慎ちゃんの部屋は向かいあってあるから
窓を開ければいつでも話すことが出来た

それが普通になってた

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