台帳１ー６ 【キュヒョン】 ページ6
中庭に咲く季節外れの紫苑の花を見つめるA。
ｷｭﾋｮﾝ「女将さん…。」
A「…この花の花言葉は、“遠くにいる君を思う”…。ｷﾞｭﾋｮﾝありがとう…忘れずにいてくれて…こんな私を嫌わずにいてくれて…。」
ｷｭﾋｮﾝ「嫌うだなんて…っ！兄は…自ら女将さんの傍にいることを選んだんです…。なのに…それを全うすることができなかった…。それは女将さんのせいじゃない…兄の…心の弱さ…。」
Aを抱き締めるｷｭﾋｮﾝ。
A「ｷｭﾋｮﾝさん？！」
ｷｭﾋｮﾝ「僕が…傍にいます…。兄の代わりに…。兄のように愛してくれなくてもいい…。あなたの傍にいること…支えること…それが…僕に与えられた使命…」
【現在】
ｷｭﾋｮﾝ「決して最期の言葉を伝えるためじゃない…だから…この旅館に辿り着くことができた…。」
Aを抱き締める。
ｷｭﾋｮﾝ「Aがお客様を癒すことが使命なら僕はそんなAを癒してあげる…」
Aを抱き上げるｷｭﾋｮﾝ。
A「ｷｭﾋｮﾝ…」
ﾁｭｯとｷｽをするとそのままどこかへ連れ去ろうとするｷｭﾋｮﾝ。
ﾋﾁｮﾙ「おい、どこへ行く？！」
ｷｭﾋｮﾝ「どこって、邪魔されないとこです。(ﾆｯｺﾘ)」
ﾋﾁｮﾙ「(ﾋﾟｸｯ)ざけんな。組合から電話があった。客がくる。」
ｷｭﾋｮﾝ「えー…。(嫌そうな顔)」
ﾋﾁｮﾙ「えーじゃねえ！(怒)さっさと迎える準備しろっ！」
ｷｭﾋｮﾝ「ﾊｲﾊｰｲ。それじゃﾎﾞｲﾗｰ様子見てきますか。」
A「お願いね？」
ｷｭﾋｮﾝ「任せて。」
ﾁｭｯとまたｷｽをするｷｭﾋｮﾝ。
ｷｭﾋｮﾝ「続きは夜ね！」
ｳｲﾝｸして走って行く。
ﾋﾁｮﾙ「ったく！しょうがねえﾔﾂだなぁ！」
と言いつつも笑ってるﾋﾁｮﾙ。
ﾋﾁｮﾙ「ｱｲﾂは…逃げ出さねえよな？(ﾆﾔﾘ)」
A「ﾋﾁｮﾙ！」
ﾋﾁｮﾙ「嫌味くらい言わせてくれよ(笑)」
ﾄﾞﾝﾍ「板長！仕込みの確認お願いします！」
ﾋﾁｮﾙ「今行く！」
A「それじゃお部屋の準備をしてきましょうか…っ！？」
ｷｭﾋｮﾝに腕を掴まれると物陰に連れ込まれる。
A「ｷｭﾋｮ…ｯ…」
ｷｭﾋｮﾝ「ｼｰｯ…板長にﾊﾞﾚるだろ？」
A「お客様だってくるのに…。」
ｷｭﾋｮﾝ「だって…昔話してたら火が点いた…」
A「もう…」
一度点くと消せぬ炎。
それは愛という名の熱情。
様々な思いを乗り越えて築いた
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作者名：bubu | 作成日時：2014年11月26日 1時
