私の決断〜夢主side〜 ページ36
《鏡「違う、私は、闇の花なんかじゃない。光の世界で生きていく。」》
鏡花の目は、驚くほど真っ直ぐだった。
逃げるとき、自分の意思ではないまま、振り返ってしまった。
なぜだろう…。
心が苦しい。
孤児院から引き取られるとき、此れが鏡花を守るための術と思った。
何かが違う。
もっと、近くで、鏡花の隣で、守っていたい。
……………
ここは、父上様。
違う。ハーマンさんの部屋の前。
ドアをノックしようと、手を出した時だった。
ハ「そこにいても寒いだろう？入って来なさい。」
少し動きが取れなくなった。
でも、もう戻らない。
部屋は、月明かりに照らされていて、ハーマンさんは椅子に座ってわたしに背を向けていた。
『…父、上様…』
ハ「……養子縁組を解いて欲しい。そうだろう？」
『……』
何も、言えない。
ハ「…いずれ、組員は返してもらったんだ。…それに、お前にもそういう時が来ると思っていた。」
今まで、わたしを娘として育ててくれた。
わかってしまうのも、しょうがない。
ハ「団長にはわしから言っておく。行くがよい。」
『！』
驚いてしまった。
私はなにも言えなくなった。
ただ、白鯨が空を進む風の音だけが部屋に響いた。
はあ、とハーマンさんは、一息をついて言った。
ハ「すまなかったな。…元気でいなさい。それだけだ。」
『……………はい……』
その声は、聞こえていたかわからない。
その声は、震えていたかもしれない。
私はパラシュートや荷物を持って、部屋を出た。
モ「止めないわよ。」
後ろから突然声がして振り返った。
そこには、モンゴメリやマークがいた。
団長は、居ない。
ト「まあ、もともと君は日本人だし…？」
マ「いつかまた会ったら、ミイラにしてやるわ。」
モ「私に止める権利はない。相手がハーマンだもの。」
ジョ「元気でね。」
ラ「……眠い。」
オ「え、えと、元気でいてください…！」
私は裏切り者として扱われなかった。
わかってたのだろう。全員が。
『＿＿＿＿＿ありがとう。』
私は白鯨を降りた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
コルセット(プロフ) - 完結しました！他のお話も今あげているので、よかったら見てください！ (2018年3月8日 20時) (
レス) id: 37e1cb07ce (このIDを非表示/違反報告)
菫青石 - もうお話終わっちゃうんですか？ (2018年3月7日 21時) (レス) id: 583fea9dd9 (このIDを非表示/違反報告)
コルセット(プロフ) - ハニトン！（別垢）さん» 羨ましいです！ちなみにわたしは逆に福沢さんのSSRが出ました！ (2018年3月5日 20時) (レス) id: 37e1cb07ce (このIDを非表示/違反報告)
ハニトン！（別垢）(プロフ) - 私も映画見て来ましたぁぁぁ！あの、あれが、あれで、あの、なんか、凄かったですよね！(ちなみに私は芥川（新）映画観たあとスカウトしたら出ました)←(。-`ω-) (2018年3月5日 4時) (レス) id: baf5146a2f (このIDを非表示/違反報告)
コルセット(プロフ) - 紅月月華さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年3月4日 20時) (レス) id: 37e1cb07ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：コルセット | 作成日時：2018年2月9日 20時
