［センラ］S u g a r . (ページ5)

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# Sugar 5 ページ5

「優は…変わってないね」

その笑顔も、声も、姿も全部変わってない。
あの頃からまるで時計の針でも止まってるみたいな感じがして。
変わったのは年齢だけ?
それとも…私だけ?

「Aが変わりすぎやねんて」

「そりゃ優よりは大人だし」

「はぁ!?俺ら幼なじみやんけ!同い年やろ!」

幼なじみ、か。
まるでなかったことみたいにしてるのかな
それとも気を使ってるのか。
余計なお世話にモヤッとしながら、ちょっとぐらい触れて欲しかったみたいな気持ちは気の所為にしておこう。

特に何か話すことなく時間が過ぎていく。
腕時計を確認するとそろそろピンチな時間。
人集りも減ってきて、幾分か歩きやすそうに見える駅のホーム。
貰ったお茶をカバンになおして立ち上がろうとすると、その腕を引っ張られる

「……あのさ、」

「A!」

2つの声がほぼ同時に聞こえる。
振り返った先には行ってしまったはずの先輩の姿。
先輩は優の存在を二度見しつつ私の元へ駆け寄ってくる。
対する優は出鼻をくじかれたように口を開けたまま固まっていて

「いきなりおらんくなるからびっくりしたわ、ごめんなぁ置いてって」

「だ、大丈夫です!」

「まあ遅刻しそうやし、急ぐで。今度は離れたらあかんよ?」

私の腕を引く。
優の方へ振り返ると依然口を開けたままで。
ただの会社の先輩だよ、
そんなことを言おうと口が開いても言葉には出てこなくて。
結局何も言えず、突然の再会は呆気なく終わった。