［センラ］S u g a r . (ページ23)

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# Sugar 23 ページ23

一瞬の出来事だったのかもしれない。
けど私にしてみたら、それは時間でも止まったのかってぐらい長いことで。

ゆっくりと優の顔が離れていって、しばらく唖然としていた。
けれど反射的に顔が熱くなっていく。
優の何ともなさそうな、ちょっと意地悪そうな顔を見ていて、私だけがこんなふうに思ってるのが悔しかったりして。

「…A、「最低…!」…いって…!」

乾いた音が鳴った後、何すんねん!と言いたげな目でこっちを睨んでくる。
対する私はほんの数秒前の自分の行動に慌てる。
睨みつけてくる優の頬には薄く紅葉が咲いている。

…私、今優のこと、ビンタした。

「…あ、あの、ごめ、」

「……触らんといて」

伸ばした手はのけられて。

…なんでこんな罪悪感にかられているの?
無理やりしてきたのは優なのに。
正当防衛じゃん。私に非は無いのに。

気まずい沈黙が流れて
優は私を見ることなく背中を向けてどこかへ行ってしまう。

____背中を追いかける気にもならないや。