［あほの坂田。］仔犬拾いました。~another story~ (ページ42)

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# 42 ページ42

「…う、そ」

左手を出すと
坂田くんが薬指にゆっくりと光るものをはめる
少し照れた顔を浮かべながら
坂田くんは私の瞳を見つめてくる

「もっと…ロマンチックな方が良かった?」
「え、…どういう、」
「察し悪いなぁ」

呆れ顔を浮かべながら笑う
左手を優しく撫でられる

「A」
「…はい」

名前を呼ばれて反射的に返事をする

「………俺と。」

鼓動がバクバクと鳴り始めて

「ずっと、一緒にいてくれませんか」
「……………!」

一瞬世界が固まった気がして
困惑の中坂田くんの瞳だけを見つめる

一緒に、いてくれませんか

それってつまり。

「………結婚、してください」

結婚
その2文字が大きく浮かぶ

告白された時よりも
自分の体温が上がった気がして
世界がもっと眩しく見えて

「絶対、幸せにします」
「……私で、いいんですか」
「貴方がいいんです」

真っ直ぐに伝えられる
同時に視界がぼやけて

………嬉し泣きだ。

目の前の坂田くんは焦った表情を浮かべる
その涙を拭って、精一杯の笑顔をつくって
君に飛びつく

「…よろこんでっ…!」

＊＊＊

ロマンチックじゃなくていい
平凡なのがいいの。
君との出会いは偶然?
それとも必然?

なんにせよ
君と出会えたことが
私にとってかけがえのないものに変わりはない

辿っていくこれからの道を
キミと2人で歩めることが
何よりも幸せです。

* 仔犬拾いました。～ Fin ～ *