［あほの坂田。］仔犬拾いました。~another story~ (ページ16)

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# 16 ページ16

「…そう言えばホワイトクリスマスじゃなかったね」

坂田くんは隣で確かに、と呟く
雪は降る気配も無い
寒い夜空の下、繋がれた手の温もりを感じて。

少し強く握ってみると、坂田くんは不思議そうにこっちを向く

「どしたん？」

「んー？んふふ、坂田くんの手、あったかいから」

「Aの手もあったかいやん」

「そうかな」

「そうやで」

なんとない会話が起こっては消えて、起こっては消えて。
話に花が咲く訳でもない
だからと言ってずっと黙ってる訳でも無い
それでも、大好きな君が隣にいることが何よりも幸せで

クリスマスに大切な人と一緒にいる

坂田くんは初めて、なんて言ってて
そんなの私もに決まってるじゃん。

「ねえ、どこ行くの？」

「秘密ー」

イタズラな顔の坂田くんは相変わらず子犬みたいで。
ケチ！と言うと君はケラケラと笑って。

そんな所が好きなんだよね、なんて改めて感じてる。

完璧な訳でもないし
お金持ちでもない
ごくごく普通。
けれど、君の存在そのものが
私にとって宝物みたいで
君の笑顔が
私の元気の源だな、なんて感じて。

そんなの照れて言えないけど
それだけ、君のことが好きなんだなって。