絶対的女王2

Story61 ページ14

You side

((ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝ…

電車に揺られる。

貴『電車ってこんな風になってるのね…』

雄「お嬢様、キョロキョロすんな。皆お前のこと見てるから」

貴『あら、どうして？』

侑「Aがあまりにも綺麗だからだよ」

貴『ﾌﾌｯ…ありがとう。でも侑李の方が素敵よ？』

産まれて始めて電車に乗った。

人が結構多くて、車内も少し狭い。

((ﾌﾟｼｭｰ

電車の扉が開き、更に人が乗ってくる。

車内はギュウギュウ詰めになり、身動きも取れないほど。





((ﾄﾝｯ

窓に背中が付いた。

貴『照史…』

照「大丈夫か？」

照史が壁になり、私が苦しくならないようにしてくれている。

((ｶﾞﾀﾝ

照「おっと…ごめん」

電車が大きく揺れ、照史は体制を崩し、窓に手をついた。

所謂、壁ドン状態。

先ほどより距離が近くなり、勝手にドキドキする。

((次は〜原宿〜原宿〜

目的地である原宿が近づいてくる。

貴『ごめんなさい、もう大丈夫よ』

照「いや、危ないからもうちょいこのままで…」

ふわりと香るココナッツの甘い匂い。

トクン、と胸が熱くなる。

照「どうしたん？顔赤いけど…暑い？」

貴「いえ、平気よ」

ﾊｧ…私らしくないわね。





((ﾌﾟｼｭｰ

電車を降りると目の前には人、人、人。

貴『さすがは若者の街･原宿ね』

涼「十分若いのに、何言ってんだよ」

望「2人とも、置いていくでー!!」

涼「あいつら歩くの早すぎね…？」

貴『それほど楽しみにしてたんじゃない？』

涼「…かもな。ほら、行こうぜ」

私達は軽く走った。

その時に涼介は、私の歩幅に合わせてくれていた。

ﾌﾌｯ…何だかデートみたいね。

大毅「なぁなぁ、どこ行くっ!?」

貴『そうね…まずはカフェにでも行かない？紅茶とケーキが美味しい場所があるんだけど…』

智「行く行く!!((ｷﾗｷﾗ」

雄「ケーキとか何年ぶりだろ…」

侑「ゆーや、まだ甘い物食べれないの？」

雄「食べれないんじゃなくて、食べねぇだけだっつーの」

他愛もない会話でも、私は何故か頬が緩む。

こんな時間がいつまでも続けばいいのに…

…なんて、らしくないかしら？





((ｶﾗﾝｶﾗﾝ

オシャレな雰囲気のカフェ。

小さい頃に、よくお母様に連れられていた場所。

店員「いらっしゃいませ。おや、Aさん。お久しぶりです」

貴『えぇ、お久しぶり。何年ぶりかしらね』

店員「もう5年くらいでは？おや、今日は大勢で…ご友人ですか？」

貴『いえ…彼らは私の仲間よ』

最高のね…？

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