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らっだぁはバイクで街を爆走していた。
勘違いはしないでほしいが、速度は守っているため犯罪ではない。勿論。
行き先は自身が経営するコンビニ。
応急手当用の商品を多く仕入れてはいるが、今現在の在庫の状況が把握できていないため少し覗くことにしたのだ。
バイクをドアの真ん前に止め、扉を体で開ける。
「(本当どこにでもいるなこの人)」
そこには、レジの男と話しこむ男が1人。
「え〜、やっぱり無いのか?山の方のコンビニは行くのが面倒なんだがな」
話に熱中しているようでこちらに気づいていないらしい。
「Aさん。うちの店に何か用ですか」
後ろから肩に手を置き話しかけると、意外にもAは驚くこと無く「あぁ、らっだぁ」とこちらに笑いかけた。
「というか、Aさん。ってすごい他人行儀な呼び方だな。多分俺のが年下だしタメでいいんだが」
年下とか年上とか関係なしに、仕事上そうなってしまうのは必然的なわけだが。
しかしながらタメで話していない人間がいないのかと言われたらまったくの否だ。
つまるところ、らっだぁは敬語やタメ語などにこだわりは一切なかった。
あちらがタメで良いと言うならタメでいいだろう。
医者の勘だが、コイツとはこれからも関わりが多そうだし。
「ん。わかったわかった。で?何が無いって?」
Aはそうそう!と思い出したかのように言うと、レジ台を軽く数回平手で叩いた。
「この店スケボー無いのか!」
「はぁ」
あったはずだ。
というかスケボーか。どうせ昨日のスケボー山登りでお釈迦になってしまったのだろう。
レジバイトに話しかけ、在庫確認する。
「この街ってスケボー需要あんの?」
売り切れだった。
といってもこの時世にバイトをするような人間もいない。
商品はスケボーだし、少し売り切れ状態にしておくか。
そう思って視線をAへ戻した。
「ないね。売り切れ」
「本当か?残念だな」
山の方へ行くか。と少ししょげ気味に店を後にするA。
それを黙って見ていたらっだぁははたと思った。
「あいつ、無職なんじゃね?」
アルバイターにちょうど良すぎる人間がここに、いるじゃないか。
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わらび(プロフ) - じゃーん、えっちふんさん» コメントありがとうございます!コメ主さんの言葉選びがとても素敵でこちらが感動してしまいました。自分の目指す雰囲気とキャラクター像が伝わっていて非常に嬉しく思います。少しずつの更新にはなりますが、楽しみにしていただけたら幸いです。 (8月7日 1時) (レス) @page34 id: ac8a81db8b (このIDを非表示/違反報告)
じゃーん、えっちふん(プロフ) - 薄暗い憂いを帯びてる雰囲気と男主くんのあっけらかんとした感じがちょうどいいバランスで沼で最高です😭自分のペースで更新頑張ってください!! (8月7日 0時) (レス) @page34 id: 1b7c50ba33 (このIDを非表示/違反報告)
わらび(プロフ) - 管理人さん» コメント本当に嬉しいです!ありがとうございます。一回の更新が少なく満足感が無いかもしれませんが、ぜひ今後も毎日の楽しみにしていただけたら幸いです。 (8月6日 12時) (レス) id: ac8a81db8b (このIDを非表示/違反報告)
管理人(プロフ) - コメ失礼しますm(_ _)m貴方様のrd医院長が本当に好きです!毎回更新されるのが楽しみで仕方ないです!これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (8月6日 3時) (レス) id: af5b844ff4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しまなか | 作成日時:2023年7月28日 20時