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負傷者の通知がまた鳴る。
今も負傷者を治療しているにも関わらず、負傷者の数は増えていくばかりだ。
こんな時に限って出勤している救急隊員は少なく、とても医療が回っているとは言えない状況。
「抗争とか起きてないだけマシかもな〜」
ヘリで飛び立った男はつぶやいた。
負傷者は多いものの、その半数はバイク事故。
あとはギャング同士のちょっとしたじゃれ合いだったり。
だからって一刻を争うことに違いはないため、次々と激務をこなしていかなければならない。
「つぎは〜」
端末のマップを眺める。
山奥に重症者のマークが光っていた。
大方、バイクで山でも登って事故ったのだろう。
安全運転しろお前ら。
男は医療従事者とは思えない捌きでヘリを操縦して山に向かうのだった。
「君か！昨日ぶりだな！」
頭や腹から血を流し笑いかけてくる男。
Aは唯一動かせる手で手を振った。
「なんでこんなとこでしんでんすかAさん」
早速治療に取り掛かりながら医者は問う。
Aは聞かれるのを待っていた。とでも言うように楽しげに口を開いた。
「山登りしてただけなのに気づいたらこんなんだ」
最高だろ？と笑う。
逆に一体どこらへんが最高なのだろうか。
山登りしただけでこんなんになってたまるかよ！
思わずそう叫びそうになった口を医者は閉ざした。
「ちなみに何で山登りしてたんすか」
「スケボー」
Aを拳が襲った。
「いった！！え、君医者だよな！？」
「ちょっと今医療回ってないんで、そういう馬鹿なこと辞めてくれますかね」
今度は医者がAに笑いかける番だった。
あきらかに笑みの種類が別なのはAが一番理解しただろう。
割りと本気で殴られた場所が痛むが、医者はそこも含めて即座に治療を終えた。
「じゃ、請求書送っとくんで〜。今後こんなことはしないよーに」
最後に釘を刺されたAは、あぁ。とスマホ画面を見ながら呟いた。
それを聞き届けた医者は、じゃあお大事に。と決まり文句を言い放ってヘリへ向かおうと背を向け歩き出す。
「なぁ君。この街には君以外にもお医者は数人居るだろう」
その背中にAの声がぶつかった。
わざわざ振り返って返事することもないので、医者の男は振り返らずに「そうだね」と答えた。
「それじゃあ呼び名の区別がつかん。これからは名前で呼ぶがいいか？」
らっだぁ。
請求書の名前で確認したのだろう。
名前で呼ばれるのは特別嫌なわけではない。
「うん、お好きに呼んでどーぞ」
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わらび(プロフ) - じゃーん、えっちふんさん» コメントありがとうございます！コメ主さんの言葉選びがとても素敵でこちらが感動してしまいました。自分の目指す雰囲気とキャラクター像が伝わっていて非常に嬉しく思います。少しずつの更新にはなりますが、楽しみにしていただけたら幸いです。 (8月7日 1時) (
レス) @page34 id: ac8a81db8b (このIDを非表示/違反報告)
じゃーん、えっちふん(プロフ) - 薄暗い憂いを帯びてる雰囲気と男主くんのあっけらかんとした感じがちょうどいいバランスで沼で最高です😭自分のペースで更新頑張ってください！！ (8月7日 0時) (レス) @page34 id: 1b7c50ba33 (このIDを非表示/違反報告)
わらび(プロフ) - 管理人さん» コメント本当に嬉しいです！ありがとうございます。一回の更新が少なく満足感が無いかもしれませんが、ぜひ今後も毎日の楽しみにしていただけたら幸いです。 (8月6日 12時) (レス) id: ac8a81db8b (このIDを非表示/違反報告)
管理人(プロフ) - コメ失礼しますm(_ _)m貴方様のrd医院長が本当に好きです！毎回更新されるのが楽しみで仕方ないです！これからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (8月6日 3時) (レス) id: af5b844ff4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しまなか | 作成日時：2023年7月28日 20時
