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Aが派手に走ったせいで追っての2人はこちらに気づいたらしい。
銃を向けこちらに迫ってくる。
こんな状況であるのに、Aは変わらず笑っていた。
「あぁ!こんな映画みたいな逃走劇あるか?おまけに友人が2人もついてる!」
これこそ最高だ!
とAはもう一度叫ぶと器用に戦闘機を操縦し、離陸した。
窓の外からこちらを見上げる男2人に手を振りながらもう一度叫んだ。
「機会があったらまた会おう!よく知らん奴とコンタミ!!」
あちらにもこちらの声は届いたようで、片や舌打ち(多分そう)をし、片や何故か笑顔で手を振り返している。
あ、頭はたかれた。
どうやら戦闘機の追跡は厳しいと感じたのか、車を取りに歩いていく2人。
それを見送るまでもなく、Aは慣れた手付きで操縦している。
戦闘機も操縦できるとは訳のわからないやつだ。本当に。
「らっだぁとぐちつぼは海岸に落とすからな」
こちらを見ることなく、え〜っと。とマップにピンをさし始めるA。
続けてまた話し出す。
「多分俺はしばらく指名手配かけられるから、なりを潜めておこうと思う。指名手配が取り消されて少し落ち着いたら、また会いに行くからよ」
こちらから顔は見えないがが、きっと笑っているのだろう。
指名手配されるという状況も楽しんでいそうなこの男に不都合な場面などあるのだろうか。
なさそう。
「あ、ぐちつぼの車だけど、ボブに処理お願いしたから明日にでもピッカピカで事務所前に停めてあると思うぞ」
誰だよボブ。
そう聞きたかったが、目的の海岸は案外近場だったようで一度着陸する。
流石に怪しいので早く出ろとのこと。
それもそうなので急いで戦闘機から降りると、こちらの受ける風のことなんて微塵も気にしていないほど早く飛び立っていった。
「最後一方的に話されまくったけど、誰だよボブ」
ぐちつぼが半笑いでそう呟く。それな?
「まぁそれよりもぐちつぼさん」
「んあ、はい?」
一連の怒涛の出来事ですっかり疲れ切った様子のぐちつぼの肩に手を置く。
「Aは多分、怪しまれないように中心部から非常に遠いところにおろしてくれたわけなんですけども」
端末にマップを表示させる。
現在地と中心部が同時に見えるところまで縮小してぐちつぼに見せた。
「なんとここから病院まで徒歩〜〜〜!!!!」
「ウェーイ!!!!」
はぁ。と2人で同時にため息をついた。
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わらび(プロフ) - じゃーん、えっちふんさん» コメントありがとうございます!コメ主さんの言葉選びがとても素敵でこちらが感動してしまいました。自分の目指す雰囲気とキャラクター像が伝わっていて非常に嬉しく思います。少しずつの更新にはなりますが、楽しみにしていただけたら幸いです。 (8月7日 1時) (レス) @page34 id: ac8a81db8b (このIDを非表示/違反報告)
じゃーん、えっちふん(プロフ) - 薄暗い憂いを帯びてる雰囲気と男主くんのあっけらかんとした感じがちょうどいいバランスで沼で最高です😭自分のペースで更新頑張ってください!! (8月7日 0時) (レス) @page34 id: 1b7c50ba33 (このIDを非表示/違反報告)
わらび(プロフ) - 管理人さん» コメント本当に嬉しいです!ありがとうございます。一回の更新が少なく満足感が無いかもしれませんが、ぜひ今後も毎日の楽しみにしていただけたら幸いです。 (8月6日 12時) (レス) id: ac8a81db8b (このIDを非表示/違反報告)
管理人(プロフ) - コメ失礼しますm(_ _)m貴方様のrd医院長が本当に好きです!毎回更新されるのが楽しみで仕方ないです!これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (8月6日 3時) (レス) id: af5b844ff4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しまなか | 作成日時:2023年7月28日 20時