【VCRGTA】俺とお前と、【rd】

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建物の裏手に車を止め、徒歩で敷地内に入る。
追手の車は何故かこの建物が見えてから速度を格段に落とし、別の道へ降りていった。

「彼奴等の車はデカ過ぎて目立つから下に停めておくつもりなんだろうな」

そう小さな声で呟きながら腰を低くしてゆっくりと歩くA。
なんでそのような動きをするのかは分からないが、なんとなくらっだぁとぐちつぼも同じように歩いた。
目的地であるここはなにやら飛行機の類のガレージのようで、非常に大きい倉庫が眼前に広がっている。
ん？飛行機……？

「ね、A。あれって飛行機？」

「ん？いやあれは戦闘機だなどこからどう見ても」

何事もないように歩きながら言うAを殴りたくなる。ぐちつぼも困惑の表情を浮かべていた。

「もしかしてここって、米軍基地かなんか？」

半ば青ざめた表情で問うと、そうだぞ〜とAから間の抜けた返事が返ってくる。
待ってくれ？それは、今俺達が侵入していることがバレたら色々不味いんじゃないか？

「俺、犯罪は死んでもしたくないんだけど」

「大丈夫。2人は凶悪犯である俺に巻き込まれた被害者だ。それにちゃんと案はある」

その言葉に物議を醸そうとすると、ほら来たとAが基地の裏口の方を見る。
フェンスを飛び越えてやってくる男2人が視界に写った。先程はよく見えなかったが、あれが追手か。

Aは２人を確認して、すぐ物陰から貨物の方へ移動していく。貨物を運ぼうとしている人間の後ろに立つと、なにやら声を潜めて話し始めた。
ここからは聞こえないが、脅している。という様相でもない。
男は内ポケットからなにやら鍵を取り出すと、Aに手渡した。
足早に、しかし忍び足でこちらへ戻ってくると、Aは一番近い戦闘機を指さした。

「あれは今爆薬が乗ってない。パチるのには最適だ！」

行くぞ。と手招きをする彼に思わず足が止まる。
米軍基地の戦闘機をパチる……？
大犯罪にも程がある。
今になって院長という役職が重くのしかかって足が動こうとしなかった。
そんな俺をAは細目で見下ろしたあと、何故か満足げに笑い、俺の腕を引っ張って走り出した。
ぐちつぼも驚きながらそれに続く。

「俺を恨めらっだぁ！お前の友人は大犯罪者だってな！」

そう楽しげに叫びながら戦闘機に乗り込む。
俺とぐちつぼは運転席の後ろに投げ込まれた。

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