【VCRGTA】俺とお前と、【rd】

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カシャとシャッター音がする。
そちらを向けば、パイナップルの被り物をして派手なスーツに身を包んでいる男が端末を操作している。

「ロスサントス病院院長、虚空を殴る。っと」

明らかにこちらを煽る目的で言われた言葉に、立ち上がって男を蹴った。

「写真取るの許可してないですぅ〜！」

続いて拳を二発。
いやー！！冗談っすよ！！！と声を上げる男にもう一発。
ぐちつぼと呼ばれる記者は地に伏せた。

「容赦なさすぎんか…？」

おいおいと泣き真似をするパイナップルを仕方なく治療する。
暇なのか？記者は。

ようやく立ち上がった記者は、本題に入る。といった雰囲気でシャツの襟を正した。

「いやぁ、先日パシフィック内で謎の騒動があったわけですけれどもらっだぁさん」

「ありましたね〜」

もう一度ベンチに座り直して記者の話を一応聞く。
どうせ何があったのか警察に聞いても答えてくれなかったために俺のところへ来たのだろう。

「俺は何も言えないからね」

そう言うと目の前の記者はそこをどうにか！と手を合わせた。
絶対に言っていけないわけではない。
釈迦さんに非常にふんわり。本当にふんわり、あんまり一般人には言うなと言われただけだ。
だがまぁ、記事にされるといささか面倒なことになりそうなのでぐちつぼに言うのは絶対に避けたい。

「お前は記者だから駄目」

「え〜……」

一回消沈したぐちつぼは、一秒経ってすぐに復活した。

「まぁ、うんわかった。記事にはしないからさ。何があったのかだけでも教えてくんね？」

一応俺もパシフィック行ったりするしさ。
と記者のノリをおいて落ち着いたテンションで言うぐちつぼ。
一般人はあんまりパシフィック行かないだろ。
そこまで取材しに行くなよ。

だがまぁ、ゲーム以外では嘘をつかない男だというのを俺は知っている。
記事にはしない。というのは本当のことなのだろう。

言ってもいいが、この機会は普通に有効活用できるな。

「………。それなら教えるけど、一つ協力してほしいことがある。いい？」

「え？まぁ、うん。俺にできそうならいいけど」

なんだ？と顔に出ているぐちつぼに、笑いそうになる。
パイナップルヅラでその顔をしないでくれ。

「Aっていう、サングラスかけた男を今探しててさ」

見かけたら連絡くれー。と続けようとすると、ぐちつぼは大きく目を見開いた。
そして、少し奥に止めてある車を指差す。

「そいつ、数日前から俺の車の後部座席で生活してる奴…かも」

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