【VCRGTA】俺とお前と、【rd】

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あの騒動から数日。
らっだぁはつかの間の休憩時間にサンドウィッチを片手にベンチに座っていた。
舌の上の味を感じながら先の騒動を思い出す。

ギャングが降参したあとに突如として起きた爆発。
爆弾などは見当たらず、警察は外部からの複数回のロケットランチャーの発射だと推察していた。
というのも、状況的に第三者の介入であることは確実らしい。
しかし、犯人は未だ逮捕どころか目星もついていない。
あの数の警察、そしてギャング達もいたのに、だ。


爆発が起きた直後から記憶がない。


誰もがそう言った。
爆発が起きた直後、数秒は全員が状況の把握などの為に声を上げた。
そう。数秒である。
その後、気がついたら煙はとうにおさまっているパシフィック入口で全員目を覚ました。

俺ととろさんもこれの例外ではない。
目を覚ましたのは屋上だったが、あれ以降の記憶はなかった。
にしても。

「腕痛ぇ〜………」

だらんとした右手には包帯が巻いてある。
幸いにも弾は貫通しており、手術は必要なかったが痛いものは痛い。

騒動で怪我を負ったものはほぼいなかった。
そう、俺以外は無傷だ。
銃を落とさせる為に放ったであろう弾丸は1ミリのズレもなく俺の腕を貫通した。

俺以外負傷者がいないために、事情聴取を行われたが、アイツのことは口にしなかった。

「(煙で姿は見えなかった。だってよ)」

何故あんな嘘を吐いたのか。
理由はなんとなく、でしか無い。

あんな状況のパシフィックになんでお前がいたんだよA。
得体のしれない男だとは思っていたが、得体のしれない、というか意味の分からない男だったな。

だけど、あの顔が忘れられない。
悲しそうに笑う彼は何を思ったのだろうか。

「毎日毎日来てたのに急に来なくなるしよぉ！」

勢いよくサンドウィッチを頬張る。
美味い。

なんで四捨五入初対面の男に振り回されないかんのだ。
また少しばかり苛ついて虚空を殴った。

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