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立ち上がった拍子に無線機が落ちる、それを拾おうと手を伸ばしかけたその時だった。

連続の轟音。
鼓膜が揺れる感覚に頭が痛くなる。

下層から聞こえる困惑の声々。
警察も、ギャングの声もどちらも聞こえた。
まだ立ち上がっていなかったとろろの無線機からも動揺の音か聞こえる。
状況確認の為に無線で連絡を取ろうとしているとろろは非常に冷静で、救急隊には勿体ない人材だといささか思う。

下の方で爆発が起きたのだろう。
規模が大きいようで、屋上までも砂埃で覆われてしまった。
つい先程まではあんなに見通しが良かったこの場所が、数メートル先しか見えない戦場に変わり果てている。

頭痛がする。
頭が大きく揺らされているような感覚に吐き気がした。
思い返してみれば、こんなに近くで爆発音を聞く機会はいままでなかったかもしれない。
思わず頭を抑えた。

「院長!物陰に隠れないと危険かもしれないですよ!」

こっちに!と手招きをするとろろを頭を上げて見ようとすると、視界の端に何かがうつった。

思わずそちらを見やる。

砂埃の向こうからゆっくりと近づいてくる影。
どこかを見ている俺を心配してか、とろさんの声が薄っすらと意識のはじで聞こえる。
とろさんの場所からだと死角だ。
とろろにこの人物は見えていないのだろう。

砂埃を気にすることなくこちらへ進む影は、俺の視界で捉えられる場所まで来て歩みを止めた。

「…なんでここにいるんですかねぇ」

見覚えしか無いその男にそう問いながら、自衛用の銃をホルスターから抜く。
相手に撃つつもりは毛頭ない。もっぱら威嚇や脅し用の銃だ。
念の為弾は入っているが。

目の前の男は、銃を引き抜いた俺に悲しそうに笑いかけると先程の回答でもないことを言った。







その後響いた一発の銃声を最後に、この騒動は終わりを告げた。

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わらび(プロフ) - じゃーん、えっちふんさん» コメントありがとうございます!コメ主さんの言葉選びがとても素敵でこちらが感動してしまいました。自分の目指す雰囲気とキャラクター像が伝わっていて非常に嬉しく思います。少しずつの更新にはなりますが、楽しみにしていただけたら幸いです。 (8月7日 1時) (レス) @page34 id: ac8a81db8b (このIDを非表示/違反報告)
じゃーん、えっちふん(プロフ) - 薄暗い憂いを帯びてる雰囲気と男主くんのあっけらかんとした感じがちょうどいいバランスで沼で最高です😭自分のペースで更新頑張ってください!! (8月7日 0時) (レス) @page34 id: 1b7c50ba33 (このIDを非表示/違反報告)
わらび(プロフ) - 管理人さん» コメント本当に嬉しいです!ありがとうございます。一回の更新が少なく満足感が無いかもしれませんが、ぜひ今後も毎日の楽しみにしていただけたら幸いです。 (8月6日 12時) (レス) id: ac8a81db8b (このIDを非表示/違反報告)
管理人(プロフ) - コメ失礼しますm(_ _)m貴方様のrd医院長が本当に好きです!毎回更新されるのが楽しみで仕方ないです!これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (8月6日 3時) (レス) id: af5b844ff4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しまなか | 作成日時:2023年7月28日 20時

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