【VCRGTA】俺とお前と、【rd】

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パシフィック上空、らっだぁととろろは救護ヘリで待機していた。
2人とも警察無線を聞いている。
今はどこかのギャングがパシフィック内に侵入した所らしい。

これは最近わかったことだが、警察とギャングが戦う際に医療従事者が近くにいると非常に有利だ。
というのも、ゲームで言うゾンビ特攻のように治して戻り治しては戻りができてしまうからであった。

今回2人が警察に呼ばれてパシフィックに来たのも同様の理由である。

少し離れた駐車場に無理矢理ヘリを止めると、とろろと降りる。
近くの路地裏に入り、鉄梯子に手をかけた。

「とろさん、俺先に登るから死んだらよろしく」

「了解です」

らっだぁが登りきると、少し時間を開けてとろろも登りきった。
すぐさま射程外の建造物の影に隠れる。
負傷者がでた場合、ここに運ばれてくるというわけだ。

警察無線が騒がしい。
情報が交差しすぎて、これを咀嚼して行動している警察の皆様方は一体どこの聖徳太子なのだろうか。
少しばかり救急隊無線が恋しくなった。

「あ、すんません。アズールお願いします」
「ごめんなさ〜い」

釈迦さんが屋上の入口からアズールを担いで出てくる。
アズールを影に下ろすと、そのまま戻っていった。
数秒経ってまた銃声が聞こえる。

倒れても尚現状把握のために黙って無線を聞いているアズールを治療していく。
完全に治療が終わったアズールは、礼を言って素早く前線に駆けていった。
警察も大変だな。


数十分が経った。
負傷者はわんさか来るものの、とろさんまで連れて来るほどでも無かったか。と感じる。

そこで警察無線の空気が変わった。
終わった〜。
失敗して降参らしいです。
了解。
撤収！という声。

どうやらギャング側が金庫のパスを失敗し諦めたらしい。
話しに聞くが、金庫の鍵開けは時間がかかる上に非常に難しいらしくリスキーなんだそうだ。

「じゃあとろさん帰りますか〜」

「はーい！こちらとろろです。救急隊離脱します。」

とろろが警察無線に連絡を入れる。
警察側から了解の言葉が聞こえたあと、伸びをしながらゆっくりと立ち上がった。

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