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先の出来事から数日たって、Aは事故を起こしたり怪我をすることは少なくなった。
しかし、何もなくても病院前に来るようになってしまった。

今もベンチで寝転び飯を食う俺を、ベンチの背もたれに背を預けて上から眺めている。
今日の夕飯はココイチのカレーだ。美味い。

すると、急に上からパシャリ。という弾けた音が聞こえる。
思わず上を向くと、Aが端末をこちらに向けていた。カメラ機能で写真をとったのだろう。

「…盗撮はんた〜い」

「いやすまんすまん!写真というのは撮っておくと幸せになるものだと昔、人に言われてな!」

笑うAは、消す素振りなど無く写真を保存していた。
まぁ別にいいか。寝転がっている写真などSNSに同業者が腐る程あげていたはずだから。

飯を食い終わり、Aと雑談を続けようと容器を片し始める。
Aはまだカメラを起動しているようで、ここから見える遠くの風景を撮っているようだった。

「あ、速いな。これは動画で撮ったほうが良かったってやつか?」

速い?乗り物か何かを撮影していたのだろうか。

視線をあげると、ほぼ同時にバイクが病院前へとドリフトを決め停車した。
運転手はヘルメットを脱ぐと、こんにちはー!と明るい声を出す。

「あれ、院長だけじゃないんですね。えっと〜患者さんですか?」

特徴的なきれいな色の髪を風でたなびかせているこの女性も救急隊の1人であった。
それに、らっだぁと同じく白医者である。

「ん〜そうね。俺のお得意さんかな〜」

「はじめまして、俺はA。よろしく頼む」

わーしっかりした人だなぁととろろはつぶやく。
残念ながらそれは見た目だけだとろさん。

「私は救急隊員のとろろで〜す。よろしくお願いします!」

びしりとこちらに向けて警官のポーズをすると、俺もやり返す。

その様子をまたAが写真にとる。

Aは満足げに笑った。

「とろろ嬢、覚えておこう。これからはもっとここに会いに来ると思うから仲良くしてくれ」

じゃあ今日は用があるから。となごり惜しそうに彼はスケボーを出して去っていった。

「アイツに用事なんてあんのか?」

「それはAさんに失礼ですよいんちょー!」

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わらび(プロフ) - じゃーん、えっちふんさん» コメントありがとうございます!コメ主さんの言葉選びがとても素敵でこちらが感動してしまいました。自分の目指す雰囲気とキャラクター像が伝わっていて非常に嬉しく思います。少しずつの更新にはなりますが、楽しみにしていただけたら幸いです。 (8月7日 1時) (レス) @page34 id: ac8a81db8b (このIDを非表示/違反報告)
じゃーん、えっちふん(プロフ) - 薄暗い憂いを帯びてる雰囲気と男主くんのあっけらかんとした感じがちょうどいいバランスで沼で最高です😭自分のペースで更新頑張ってください!! (8月7日 0時) (レス) @page34 id: 1b7c50ba33 (このIDを非表示/違反報告)
わらび(プロフ) - 管理人さん» コメント本当に嬉しいです!ありがとうございます。一回の更新が少なく満足感が無いかもしれませんが、ぜひ今後も毎日の楽しみにしていただけたら幸いです。 (8月6日 12時) (レス) id: ac8a81db8b (このIDを非表示/違反報告)
管理人(プロフ) - コメ失礼しますm(_ _)m貴方様のrd医院長が本当に好きです!毎回更新されるのが楽しみで仕方ないです!これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (8月6日 3時) (レス) id: af5b844ff4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しまなか | 作成日時:2023年7月28日 20時

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