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月崎は、私の身体のことを知らない。元不死身の、私の身体のことを＿＿昨晩のことにしたって、受けた被害が被害だっただけに、目に見える速度で怪我が回復したわけではないから、それが知れるわけもない。だからこその前置きか＿＿いや、そうじゃない。
月崎は、私のことは知らなくとも、相川のことを知っている。相川の突拍子もない秘密を、私よりも先んじて、知っている。だから＿＿相川の恋人であるところの私が、その突拍子もない秘密を、知らないわけがないと思っているはずだ＿＿つまり、今、まさに、私は月崎から、探りを入れられているということなのかもしれない。
「わからへんか？ つまり、阿良々木先輩は、自分の目で見たものを、信じられるかどうかっちゅう意味の質問なんやが」
「私は自分の目で見たものしか信じないよ。だから、見たものは全部、信じてきた。相川のことも、勿論ね」
「……なんや、そこまでバレてたんか」
言われても、さして悪びれる風もなく、後ろめたさもそれほど感じさせずに、月崎は、「しかし」と言う。
「誤解せんで欲しい。俺は、相川先輩のことを知りたくて、ここ最近、阿良々木先輩について回っていたっちゅうわけやないんや」
「え……？ そうなの？」
それは＿＿てっきりそうだと思っていたのだが。
阿良々木蒼音と相川真冬が付き合っているという噂の真偽を確かめようとしていたんじゃ＿＿ないのか？ それで、昨日、私が一人で、相川の家を訪ね、一対一での勉強会を行うという話を聞き、確信を得たんじゃ＿＿ないのか？
いや、それはそうなのだろうけれど。
その読みに狂いはないと思うけれど。
ストーキング自体には別の理由があったとでも？
「バスケットボール部のお前と陸上部の相川とで、合わせて川崎コンビって、呼ばれてたんでしょ？」
「ああ、その通りや。そんなんまでよく知っとるな、阿良々木先輩、おみそれしたで。これまでだってできる限り高く評価しとったつもりやったけど、俺はそれでも阿良々木先輩のことを侮っとったようや。えろうちゃうけど、阿良々木先輩は俺の価値観で測れるような大きさやないな。知れば知るほど、遠く感じてしまう」
「……人に聞いただけだけどね」
これだけあからさまな美辞麗句を並べても、全然腰巾着や太鼓持ちに見えないってのは、ある意味芸術作品だよな、こいつ。
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灰猫(プロフ) - 梅茶漬けさん» 梅茶漬けさんコメントありがとうございます！ずっと更新していなかったにも関わらずお気に入り登録を外さずにいてくださりありがとうございます！ちまちまですが頑張って化だけでも完結まで持って行きたいと思います！ (2021年8月3日 19時) (
レス) id: 75a262f2fa (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - れいさん» れいさんコメントありがとうございます！一年以上更新してなかったこの作品を発掘してくださっただけでもありがたいのにそんなありがたいお言葉まで……こちらこそ読んで頂きありがとうございます！ (2021年8月3日 19時) (レス) id: 75a262f2fa (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - RONONさん» RONONさん、コメントありがとうございます！たくさん好きと言って頂けて嬉しいです！！ (2021年8月3日 19時) (レス) id: 75a262f2fa (このIDを非表示/違反報告)
梅茶漬け(プロフ) - 更新ありがとうございます！！とても素敵な作品だったので通知が来た時はとても嬉しかったです…！これからも無理せず灰猫様のペースで頑張ってください、応援しています！ (2021年8月3日 2時) (レス) id: 38bd223230 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 一気見しました。すごい好きです！作ってくれてありがとうございます←いきなり (2021年6月27日 12時) (レス) id: 1e82b4fb9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2020年6月8日 1時
