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「昨夜のことを、謝らせてもらおうと思う」
「……ああ」
私は、一日たって回復した＿＿しかしそうはいってもまだ疼痛が残っているような気がする、腹部を撫でるようにしてから、頷いた。
「やっぱり、あれは、お前だったんだ」
雨合羽。
ゴム手袋、長靴。
さっき、片付けた衣類の中に＿＿混じっていた。
言うまでもなく。
「やっぱりなんて、歯がゆい言い方をするんやな、阿良々木先輩は。奥床しい人や。完全に見抜いとったんやろ？ そうでなければ、阿良々木先輩の方から俺を訪ねてくるはずがあらへんからな」
「別に……あてずっぽだよ。体格とか、輪郭とか、シルエットとかでの判断……私が勉強会で相川の家に行くことを知ってた奴とか、そういう条件から絞った上で検索をかけて、そう考えれば、ね……、まあ、お前を訪ねていったところで、間違っていたら間違っていたで、何か問題があるわけじゃないし」
「ふむ、なるほど。卓見や」
本気で感心している風の月崎。
「女子の中には手の形で男子を判別できる者がおるっちゅーが、そういう類の話やろか？」
「全然違うわ！」
ゴム手袋の上から手の形なんてわかるか！
「すまんかった。あんなつもりは、なかったんや」
月崎は、改めて、頭を下げた。
それは＿＿誠意のこもった謝罪だったように思う。
けれど、あんなつもりはなかったって……じゃあ、どんなつもりだったというのだ？ 明らかにあれは、私を狙っての＿＿しかし、それすら、そうでないということなのだろうか？
「……いや、謝ってもらっても、私が知りたいのは、理由の方なんだけど。いや、理由は＿＿ともかく」
その理由は。
決して思い当たらないわけでもない。
この場合においてあえてそんなことは言わないけれど、それこそが、まず月崎を、あの雨合羽の正体だと連想した、その契機、取っ掛かりだったのだから。
しかし＿＿
「ともかく、あの力、怪力のことを＿＿」
怪力。
怪異。
自転車を紙屑のように壊し。
ブロック塀を一撃で崩し。
そして、人間を＿＿
「聞きたい＿＿んだけど。一体、お前……」
「ううむ。何から話したものかっちゅうなら、やっぱその辺からか。そうやな、しかし……阿良々木先輩は、突拍子もないことを、信じることができるタイプの人間かどうか、最初に質問しておきたいんやけど」
「突拍子もないこと？」
と言えば＿＿ああ、なるほど、そうか。
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灰猫(プロフ) - 梅茶漬けさん» 梅茶漬けさんコメントありがとうございます！ずっと更新していなかったにも関わらずお気に入り登録を外さずにいてくださりありがとうございます！ちまちまですが頑張って化だけでも完結まで持って行きたいと思います！ (2021年8月3日 19時) (
レス) id: 75a262f2fa (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - れいさん» れいさんコメントありがとうございます！一年以上更新してなかったこの作品を発掘してくださっただけでもありがたいのにそんなありがたいお言葉まで……こちらこそ読んで頂きありがとうございます！ (2021年8月3日 19時) (レス) id: 75a262f2fa (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - RONONさん» RONONさん、コメントありがとうございます！たくさん好きと言って頂けて嬉しいです！！ (2021年8月3日 19時) (レス) id: 75a262f2fa (このIDを非表示/違反報告)
梅茶漬け(プロフ) - 更新ありがとうございます！！とても素敵な作品だったので通知が来た時はとても嬉しかったです…！これからも無理せず灰猫様のペースで頑張ってください、応援しています！ (2021年8月3日 2時) (レス) id: 38bd223230 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 一気見しました。すごい好きです！作ってくれてありがとうございます←いきなり (2021年6月27日 12時) (レス) id: 1e82b4fb9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2020年6月8日 1時
