HBD2U３ ページ16
(side.S)
カーテンの隙間から、朝日が射し込む。
その眩しい光に、自然と目が覚めた。
ふわあ〜と大きな欠伸をして、伸びをして、くるりと体を反転させる。
「･････････えっ？」
目の前に現れた、ニノの寝顔。
同じベッドに、ニノと俺の二人。
「･･････え。え、なん」
ガバッと徐に掛け布団を捲って確認。良かった、服は着てるぞ。
「安心してよ。襲ってないから」
すぐ隣から聞こえてきたその声に、びっくりして顔を上げる。
いつの間に起きたのか、スウェット姿のニノがにこにこ微笑んでいた。
「おはよ、翔ちゃん」
「えっ、あ、はよ」
「それと、お誕生日おめでとう」
「へ？あ、今日25だっけ？」
寝起きで頭がぼんやりしてるせいか、はたまた今のこの状況を理解出来ていないせいか、今日が何日かも曖昧になってる。
てか、体重くね？頭ズキズキするし。
「･･･俺、もしかして昨日潰れた？」
「うん。だから、俺が連れて帰ったの」
「てことは、ここニノん家？」
こくんと頷く彼。やべえ、昨日のこと全く覚えてない。俺、そんなに飲んだのか？
って、ちょっと待て。他に聞くべきことがあるだろ！
「･･･なんで、俺たち一緒のベッドで寝てるの？」
「なんでって、翔ちゃんが一緒に寝てって俺に言ったんじゃん」
「･･････うそでしょ」
「嘘じゃないよ。だって、翔ちゃんって
.
.
.
俺のこと、好きでしょ？」
にやりと、ほくそ笑む二宮和也に全身が硬直した。
早く。早く、否定しないと。
「な、なに訳の分からないことを」
「とぼけたって無駄だよ。だって、翔ちゃんってめちゃくちゃ分かりやすいんだから」
獲物を逃さないその真っ直ぐな視線から、顔を背けることが出来ない。
まるで金縛りにあったかのように、手も足も口も動かせなくて。
これじゃ、完全に肯定してるじゃん。
「･･････引いた？」
「引かないよ」
次の瞬間、視界に映ったのは天井と二宮和也で。
彼の両手が、俺の両手をベッドのシーツに縫い付けた。
「だって、俺も同じだもん」
「えっ？」
「ったく、ほんと鈍感」
.
.
.
.
.
チュッ
「こういうこと」
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作者名：スイミー | 作成日時：2021年1月11日 23時
