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ー降谷sideー
僕の言葉に短く答えた後、太刀川は何も言わずに頭に巻いた手ぬぐいを解いたあとに口を開く。
「手を抜いたわけじゃないさ。
俺は…」
「失礼する!!」
太刀川が話しかけた瞬間、その声と共に道場の扉が開かれ、スーツの男が入ってきた。
「止め!!」
鬼塚教官が試合を止め、入ってきた男の方に向き直り、敬礼をした。
「お疲れ様です、三廻部警部」
「えぇ、講義中に申し訳ありません」
態度からして、鬼塚教官より階級が上のようだ。
細身で小綺麗な男だった。
講義中に一体何の用だろうか、と思っていると、太刀川がふとその場に立ち上がる。
「太刀川?」
「あぁ、悪いね降谷君。
話の続きはまた今度だ」
そう言い、太刀川は三廻部警部と呼ばれた男の方にスタスタと歩み寄り、二言三言交わしてそのまま道場を後にした。
その後お預けになっていた班長と松田の試合が再開され、班長が松田を圧倒した。
その後の僕との試合が終わった後も、講義が終わってからも、太刀川は戻ってこなかった。
彼には稀にそういうことがあった。
意識していなかったが、ふと気づいたらいなくなっていて。
その翌日何事もなかったように講義に参加していて、そのことを教官に目をつけられているわけでもなく。
…いったい、どこに行っているのだろうか。
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マニ。(プロフ) - しまさん» ✉️。あのしまさんのボードに返事送りました!ボード返事待ってます! (2月25日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
しま(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!嬉しいです笑 ボードは滅多に使わないので、イマイチ使い方を覚えてないのですが、それでもよければ是非! (2月25日 8時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!とても面白いです。もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 23時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しま | 作成日時:2024年1月28日 1時