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ーNO sideー
「…あんなことがあったんだ。
降谷君も休んだほうがいい」
「あんなことがあったから眠れないんだよ。
…太刀川、お前はあんなふうに言われて平気なのか?」
先ほどの五条と夏油の会話を思い出しながら、降谷はそう尋ねた。
「…事実だからな。
実際悟…白い方な、あいつには俺が10人まとめてかかって行っても勝てない」
太刀川の言葉に降谷は、まじか、と小さくこぼした。
「…まぁ、傑が俺を弱くないと言ったのには驚いたけど…」
以前、自分より弱い、と言っていた夏油の姿を思い出しながら、小さくつぶやく。
「…すまん、降谷君…もう少し寝ていいか?」
不意に眠気が襲って来て、太刀川は降谷にそう声をかける。
「あ、あぁ、悪かったよ。
僕も自分のベッドに戻るから…」
「あぁ、待ってくれ」
そのまま背を向けようとする降谷の手首を、太刀川が咄嗟に掴む。
「眠るまで、側にいてくれないか」
「んえ、」
予想外の申し出に、降谷はピシリと固まる。
「…ダメかな」
瞼の隙間から覗く金眼に、降谷は心臓を震わせる。
「わか、ったよ…」
降谷が渋々答えたのを確認すると、太刀川は降谷の手首を掴んでいた手を解き、そのまま降谷の手を握る。
「ふふ、ありがとう」
「おまっ………」
太刀川がニコニコしながら大切そうに降谷の手に触れるので、怒鳴りそうになった声を引っ込めた降谷は、そのままベッドの端にどさりと腰掛けた。
太刀川は自分に背を向けている降谷をじっと見つめ、愛しそうに微笑んだ後、ゆったりと眠りに落ちた。
…しばらくして、太刀川の呼吸音が変わったのに気付いた降谷。
ちらりと太刀川に目配せをした後、自身のベッドに戻るべく立ちあがろうとするも、太刀川に手をぎゅっと握られてしまう。
「…離せないじゃないか…はぁ…」
顔を熱らせ、深くため息をつくのであった。
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マニ。(プロフ) - しまさん» ✉️。あのしまさんのボードに返事送りました!ボード返事待ってます! (2月25日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
しま(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!嬉しいです笑 ボードは滅多に使わないので、イマイチ使い方を覚えてないのですが、それでもよければ是非! (2月25日 8時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!とても面白いです。もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 23時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しま | 作成日時:2024年1月28日 1時