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ー降谷sideー
もう一度体育館に入ろうと扉を開けた時、凄まじい威圧感に襲われた。
何が起きてる!?
太刀川の方に目をやれば、先程拳に纏っていた青い炎のようなものが全身を覆っていて。
さらに彼の様子が普段と随分違い、伏せられていたはずの瞼をかっ開いて目を爛々とさせ、見たことがないほど口角を上げて、最早楽しそうにすら見えた。
「大丈夫かあいつ…!」
そう呟きながら、周囲を警戒しつつ体育館に踏み入れる。
先ほどの鳥人と、灰色の化物は見当たらない。
相打ちになってしまったのだろうか。
そう思いながら松田に歩み寄る。
松田にもアザが現れ始めた。
…何故僕は平気なのだろうか、と気になるところだが、今はそれはいい。
早く外へ出そう。
そう思った瞬間、白い化け物の目がこちらに向いた。
「なっ、」
思わず声を漏らした瞬間、化け物の腕がこちらに向かって伸びてきた。
くそ、避けられない…!!!
咄嗟に松田に覆い被さろうとした瞬間、目の前で血飛沫が上がった。
「たち、かわ…!!」
顔を上げれば、横腹を白い手に貫かれた太刀川の後ろ姿が見えて。
自身の血の気が引いていくのを感じた瞬間。
「どこ狙っとんじゃクソボケがァァァ!!!!」
と太刀川が叫んだ。
えっ、誰。←
僕が停止してしまっている間に、太刀川は腹を貫いているはずの化け物の腕を掴み、青い炎を纏った手刀を振り下ろした。
「遊びたいゆうから遊んだっとんやろがい…ア"ァ"!?」
あぁ、そうだった。
普段温厚すぎて忘れてたけどこいつ、大阪のヤクザの息子なんだった。←
「早よ行けや降谷ァ!!」
「あっ、あぁ!!」
その声に弾かれて、慌てて松田を担いで体育館を飛び出した。
そのまま萩原、班長の隣に松田を寝かせる。
…太刀川のやつ、満身創痍になってアドレナリンで戦ってるだけなんじゃないのか…?
このまま、あいつが死ぬ、なんてことに、なったら…。
そんなの、嫌だ…!!
「ゼロ!!!」
思わず歯を食いしばった僕の元へ、ヒロが戻ってきた。
「これ…!!」
そう言い、僕の手のひらに押し付けたのは、まさかの拳銃。
「ひ、ヒロ…お前、これどうやって…!」
「…後で一緒に怒られてくれよな」
苦笑いを浮かべながら、ヒロはそう言った。
「すまん、ありがとうヒロ…!!」
拳銃を握り直し、再び僕は体育館に戻った。
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マニ。(プロフ) - しまさん» ✉️。あのしまさんのボードに返事送りました!ボード返事待ってます! (2月25日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
しま(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!嬉しいです笑 ボードは滅多に使わないので、イマイチ使い方を覚えてないのですが、それでもよければ是非! (2月25日 8時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!とても面白いです。もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 23時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しま | 作成日時:2024年1月28日 1時