Case.7-1 _警察学校編_ ページ38
ー太刀川sideー
敵は間違いなく特級。
こちらの会話を認識しての今の音波攻撃だとしたら、…勝ち筋が見えない。
さらに追加で現れた灰色の二体は分身なのか、はたまた、完全なる別物なのか…。
おそらくだが、その二体は一級程度だろう。
…二体だけなら問題はない…が、特級がいるなら話は別だ。
さらに、俺の後ろには降谷君たちがいる。
「…降谷君、1人ずつで構わない。
伊達君たちを外に運べるか…!?」
「あ、あぁ…!
1人ずつなら問題ない…!!」
「わかった、そっちは頼む…!」
「ああ!」
短く答えた降谷君は、真っ先に呪いに充てられて意識を失っていた萩原君を抱えた。
…降谷君の様子を見るに、彼はきっと呪いに対する耐性が強いのだろう。
現に、呪いに充てられた様子も、先ほどの脳に作用する呪霊の攻撃もさほど効いた様子はない。
彼が全員運び終えるまで、俺が守れば良い。
…傑、お前はこうなることを見越して、あの呪霊札を渡したのか…?
なんて思いながら、携帯するようにしていた、細長い和紙で作られた呪霊札を取り出す。
中に閉じ込められている呪霊は一体。
等級は、俺より弱い一級呪霊。
特級の場合、俺が扱えない可能性があるのだとか。
呪霊を呼び出す方法は、札に呪力を込めるだけ。
傑に伝えられていた通りに、札に呪力を流し込む。
すると何かが書かれた札が溶けるように崩れ、一つの塊になったかと思えば、そのまま封じられていた呪霊の形を顕現した。
…ほんとに、凄いな傑は…!
封じられていたのは、仮想怨霊、鴉天狗。
「頼んだぞ鴉天狗…彼らは俺の友人だ」
俺の短い指示に、鴉天狗は小さく頷いた。
降谷君は俺が呪霊を呼び出したことに困惑していたようだったが、萩原君を抱え直し、そのまま体育館の外へ向かって走り出した。
すると、白い呪霊がその後を追いかけようとするので、俺が行く手を阻む。
同時に灰色の呪霊が二体揃って、残された松田君と伊達君の方に向かっていくので、同じく鴉天狗が二体を遮る。
「ォ"オオ、マ"ェ、邪魔ァァア"ァァ」
「邪魔して当然だろ。
こっちは遊んでるんじゃないんだから」
そう答えれば、白い呪霊は4本ある手の爪をまた長く伸ばした。
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マニ。(プロフ) - しまさん» ✉️。あのしまさんのボードに返事送りました!ボード返事待ってます! (2月25日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
しま(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!嬉しいです笑 ボードは滅多に使わないので、イマイチ使い方を覚えてないのですが、それでもよければ是非! (2月25日 8時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!とても面白いです。もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 23時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しま | 作成日時:2024年1月28日 1時