6-6 ページ37
ー降谷sideー
「みんな、今すぐここから出るんだ。
長く居て良い場所じゃ、」
そこまで言いかけ、太刀川が突然受け身の体制に入った。
直後、白い化け物がまた飛びかかってきて、今度は太刀川を吹っ飛ばす。
飛ばされた体は体育館の壁に叩きつけられ、その壁にはヒビが入った。
「太刀川…!!!」
思わず叫ぶと、それに被せるように白い化け物がまた笑い声を上げる。
「ケケケケケケ!!!
ア"そ、ぼォ"、ぁ"そ、ぼォォォォオ"!!!!」
「誰が遊ぶか、クソが」
化け物に対しそう言った太刀川の右手が、青い炎のようなものに包まれる。
その右手を振り上げ、下ろした瞬間、太刀川と離れた距離にいたはずの化け物の頭が地面に勢いよくめり込んだ。
「ヴギィッ、!!!」
化け物が悲鳴のような声を上げた瞬間、距離を詰めた太刀川が浮いた化け物の下半身を蹴り飛ばす。
何度か体をバウンドさせ、化け物が動きを止めたのを確認した後、太刀川は再び僕らの方に視線を向ける。
「ここは俺がなんとかする。
とにかくここを出てくれ!」
先ほどの一撃で全身に傷を作った太刀川が、懇願するようにそう言った。
先ほどの攻防を見て、僕らが邪魔にしかならないことはわかった。
僕らは互いに視線を交え、頷き合う。
「すまん、太刀川…恩に着る」
萩原を肩に担ぎ上げた班長がそう言った瞬間。
「ダァァめェェェェェェ"ええェェェエエ!!!!!!!」
化け物が顎が外れそうなほど大きく口を開き、甲高い金属音のような叫び声を上げた。
耳を塞いでも、直接脳に叩き込まれたような声で、頭がぐらついた。
頭が割れてしまいそうなほどのそれは、人の意識を奪うには十分で。
萩原を担いでいた班長、そばにいた松田までその場に昏倒してしまった。
「ああ、くそ、最悪だ…!!!」
頭を掻きむしった後、太刀川は庇うように僕らに背を向けた。
ケタケタと笑いながら、再び立ち上がった化け物の陰から、似たような形の灰色の化け物がさらに二匹、這い上がってくるように姿を現した。
敵が、増えてしまった。
「降谷君、もし俺が死んだら全滅だ。
その時はすまん。
だが、…死力は尽くす…!!!」
そう言いながら、太刀川は再び戦闘体制に入った。
116人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マニ。(プロフ) - しまさん» ✉️。あのしまさんのボードに返事送りました!ボード返事待ってます! (2月25日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
しま(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!嬉しいです笑 ボードは滅多に使わないので、イマイチ使い方を覚えてないのですが、それでもよければ是非! (2月25日 8時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!とても面白いです。もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 23時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しま | 作成日時:2024年1月28日 1時