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6-2 ページ33

ー太刀川sideー



呪霊に呼び寄せられたのだとしたら。

一級なら、俺1人で対処できるだろうが、知能があるのだとすれば。

特級も視野に入れるべきだろう。

そうなると、俺一人では太刀打ちできない。



寮から離れた旧体育館に近づくごとに、胸がざわつく。

思わず足がどんどん早くなる。

これは、当たりだ。



ポケットに突っ込んでいた携帯で、三廻部さんに電話をかける。

2度目のコール音を、三廻部さんのもしもし、と言う言葉が遮った。



《太刀川君、何かありましたか》


「さっき聞いた呪霊、見つけました。

警察学校内ですよ」



俺がそう言うと、三廻部さんが息を呑んだのが聞こえた。



「…多分ですけど、俺の同期が巻き込まれてる可能性あります。

それと…」



と言いかけて、見えてきた旧体育館の玄関のそばに、諸伏君が立ち尽くしているのが見えた。



「諸伏君、何してる!」



思わず荒げながら声をかける。



「た、太刀川…!

いや、えっと…」


「他の連中はどうした。

降谷君は…」



思わず捲し立ててしまいそうになるが、目を泳がせ口籠る彼の様子に違和感を感じる。



諸伏君が気にしている体育館の入り口の方を見れば、異質な雰囲気を放っているのは明らかで。

この扉の向こうは既に、呪霊の生得領域のようだな…。



「…君、視えるだろ」


「へ?」


「隠さなくていい、俺も視えている。

この体育館がおかしいのはわかっているから、何があったか話してくれ」



肩を掴んでそういえば、目を伏せながら口を開いた。



「そ、それが…食堂で夕飯を食べていた時に、松田が急に肝試ししないかって言い出して…。

いつもなら、ゼロや班長が止めるところなんだけど、なんかみんなやけにノリノリで…止めようと思ったんだけど、なんか、怖くて…」



顔を青ざめさせながらそう言う諸伏君。



…予想通り、呪霊に誘き寄せられたようだな。

諸伏君は体質的に、影響を受けなかったのかもしれない。

6-3→←Case.6-1 _警察学校編_



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マニ。(プロフ) - しまさん» ✉️。あのしまさんのボードに返事送りました!ボード返事待ってます! (2月25日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
しま(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!嬉しいです笑 ボードは滅多に使わないので、イマイチ使い方を覚えてないのですが、それでもよければ是非! (2月25日 8時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!とても面白いです。もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 23時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しま | 作成日時:2024年1月28日 1時

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