Case.1-1 _警察学校編_ ページ3
ー太刀川sideー
警察学校入校後、数ヶ月が経った。
後輩たち4人と離れ、厳しい規律の下でなかなか有意義な生活をしている。
が。
一体何処からか、俺がヤクザの跡取り息子という情報が出回り、しっかり孤立していた。
…まぁ別に隠していたわけではないし、事実なのだが。
俺の実家は大阪の極道であり、呪術師一家である太刀川組。
俺はそこの長男だ。
だが俺はヤクザになりたくないし、あと親父が嫌いなので、一番手の出しにくい警察官を目指したわけだ。
動機が不順である。
しかし、この苗字をどうにかしないと、いつまで経っても名前を聞いただけで怖がられるな…。
…まぁ、ここの連中と連む気はないし、このままでいいか。
…しかし、それだと協調性に欠くと評価されるか…?
…だがもう入校の時点で俺の配属先は、呪術師のみで構成される、警察庁刑事局特殊犯罪対策課に決まっている。
特殊犯罪、なんて名乗っているが、ようは警察的権限を持った呪術師のみで構成される部署である。
…まぁ、仲良くしたところで、一緒に仕事をすることはないんだろうが…。
なんて考えながら、食堂にて6人掛けテーブルの真ん中の席に1人で腰掛けカツカレーを食べていたところへ、1人の男が声をかけてきた。
「なぁ、ここ座っていいか?」
顔を上げると、声をかけてきた主、同じ教場の降谷君が定食のトレイを持ち、にこりと微笑みかけてくる。
「あぁ、問題児君じゃないか」
「オイ、失礼だな」
俺の発言にそう言いながら、くつくつと笑う彼。
…しかし、敢えて俺と同じテーブルを選ぶ必要はないはず。
そう思いながら周囲を見渡せば、ポツポツと空席はあるようだが…。
俺の意図を察したのか、降谷君は自身の後ろを指さす。
そこにはいつものメンツ…伊達班の奴らが。
…なるほど、ちょうどな訳か。
「君の周りは、何故かいつも広いからな」
皮肉めいた言い方に、後ろにいた降谷君の言い方に諸伏君がギョッとしたような顔をしたが。
「ブッ、あはははは!!」
俺は思わず吹き出した。
いつも怖がって誰も寄ってこないから周りが空いているんだが、それを堂々といじられるとは。
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マニ。(プロフ) - しまさん» ✉️。あのしまさんのボードに返事送りました!ボード返事待ってます! (2月25日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
しま(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!嬉しいです笑 ボードは滅多に使わないので、イマイチ使い方を覚えてないのですが、それでもよければ是非! (2月25日 8時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!とても面白いです。もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 23時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しま | 作成日時:2024年1月28日 1時