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4-3 ページ20

ー太刀川sideー



「例えば、抱いた女の人数は両手の指の数じゃ足りない、とか」

「それもそれで笑えない…」



うげ、と舌を出しながらそう言う降谷君。

変な顔だったのでまた笑みをこぼしてしまう。



彼と一緒にいるのは、なかなか楽しいな。

悟達とはまた違った感覚。

同い年だからだろうか。



…降谷君は、どう思っているんだろう。



「…なぁ降谷君、最近やけに絡んでくるじゃないか。

どういうつもりなんだ?」



少し期待を込めて彼の顔を覗き込んでみる。

すると、確かに…、とこぼしながら顎に手を添えてみせる降谷君。



「…俺は、太刀川と仲良くしたいと…思ってる、と思う」



という彼らしくない、はっきりしない微妙な答えが返ってきた。

だが、悪い印象も見受けられない。



「ふふ、そうか…。

俺も、君とは親しくしたいと思っていたんだ。

同じ考えのようでよかった」



存外嬉しくて笑みがこぼれる。

…今まで非術師…一般人とは深く関わりを持とうなんて思いもしなかったが…、意外と、悪くない。

…うん、悪くない。



「降谷君、アイス奢るよ」


「え、いらない…。

距離の詰め方変だな…」



意味がわからないとでも言いたげに、降谷君は眉を顰めた。



「そうか?

うちの後輩は喜ぶんだが…」



「はは、変だよ」



俺の言葉に、今度はおかしそうに笑って見せる降谷君。



うん、…うん。

楽しい。










週末。

合コンを断り空いていた予定に、悟達との飲み会が入った。



居酒屋のテーブル席で盛り上がっていたところ、下戸のはずの悟が生ビールを半分ほど呷り、潰れてしまった。



「あらら、悟寝ちゃったね」



硝子が悟るの顔を覗き込みながらそう呟いた。



「鼻に枝豆詰める?」



プチプチと小皿に向いた枝豆を落としながら、聖藍がそう言う。



「はは、やめてやれ。

しかし、悟が酒を飲むなんて珍しいな」



本当に枝豆を突っ込みそうな聖藍の手を掴んで止めた後、思わずそう呟く。



「はしゃいでるんですよ、悟は。

先輩のこと大好きですからね」



なんて言いながら、冷酒を嗜む傑。



21で日本酒飲む奴、そんなにいないぞ。

本当に年下だろうか。



「…まぁ、慕ってくれているなら嬉しいが」



そう呟けば、悟の隣に並んで座っていた聖藍と硝子はコクコク頷いた。

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マニ。(プロフ) - しまさん» ✉️。あのしまさんのボードに返事送りました!ボード返事待ってます! (2月25日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
しま(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!嬉しいです笑 ボードは滅多に使わないので、イマイチ使い方を覚えてないのですが、それでもよければ是非! (2月25日 8時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!とても面白いです。もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 23時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しま | 作成日時:2024年1月28日 1時

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