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『エーミールさん、今日はなんの日かご存知ですか?』

em「もちろんですよ。……と言いたいところですが、生憎存じ上げませんね…」

『ではヒント!年に1度、誰にでも必ず訪れる特別な日、ですね。』

em「…誰にでも………誕生日ですか?」

『正解!では誰の?』

em「…………はっ、Aさん…ですか?!」


大正解ですー!と抱きつけば、真っ赤な顔でわたわたと押しのけられる。なんで教えてくれなかったんだと怒る彼に、エーミールさんなら知ってると思ってたんです、と言えば少ししゅんとしてしまった。

em「私は、貴方と思い合っていると言えどまだまだ貴方については知らないことばかりな様ですね……何か欲しいものはありますか?」

『これからじっくり知っていけばいいんです。欲しいもの…ですかぁ、そうですねぇ』

欲しいもの。その言葉を待っていた、と言わんばかりに俺はニヤける口元を片手で隠しつつ考え込むフリをした。

エーミールさんなら知ってると思った。というのは強ち間違いではない。しかし俺は、何か貰うのも勿論嬉しいのだが、誕生日プレゼントを口実に次の段階へ進みたかったのだ。

思い合ってはや1年弱だが、未だ接吻すらしたことがない俺たち。出来ることならば思いっきり、大人のディープな関係に無理やり引きずり込みたいところだがとりあえず俺は


『あっ!そうだ、最近悪夢にうなされることが度々ありまして…。良ければ俺の隣で添い寝を頂けませんか?』

em「あら、そんなことならお安い御用……とちゃうわ!なっ、ななな何言ってるんです、一緒に寝る!!!???」

『嫌ですか?』

em「いっ、いやではない…けど…」


口調の乱れにも気づかず斜め下に目線を落とし、赤面しながらごもるエーミールさん。

いやぁ絶景、絶景。可愛すぎる。
林檎のように赤い頰。意識してくれてるのかなぁ、男同士だからかやはりたまに俺はどう思われているか。そういったことを必要以上に考えてしまう。でも彼に心配する必要は無いみたいで安心した。



『…エーミールさん俺にベタ惚れだね。』

em「なっ!?……そっ、それはAさんもでしょう!」





そう言って笑い合う。


…こういった日が続いてくれるなら、
俺はきっと何だって犠牲にしてしまうだろう。

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作品ジャンル:恋愛
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ひる - 寂しいですねぇ…まあ此方が何言っても戻らないのですけど()完結おめっす。また書いてくださいね〜 (2018年9月25日 1時) (レス) id: 429bc55eb5 (このIDを非表示/違反報告)
悪夢(プロフ) - 取り敢えず一言で表すと好きです!完結おめでとうございます。受験頑張って下さいぃぃぃい!! (2018年9月22日 20時) (レス) id: 6d020435fb (このIDを非表示/違反報告)
島津旧式(プロフ) - sさん» あぁあぁりがとうございます…うひぃ… (2018年9月17日 16時) (レス) id: 2c26ebfe0c (このIDを非表示/違反報告)
島津旧式(プロフ) - 猫霊さん» びゃー!!!お仲間ですひぃいぃ…ありがたいです精一杯書かせて頂きます! (2018年9月17日 16時) (レス) id: 2c26ebfe0c (このIDを非表示/違反報告)
s - 好きです…本当に大好きです…() (2018年9月15日 11時) (レス) id: 9d3e65f124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:島津旧式 | 作成日時:2018年8月19日 4時

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