08/幸福の真ん中でバカを見た ページ8
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【A視点】
私はとびきりラッキーな人間らしい。
それを自覚したのは昨日の事だ。
あのドッキリを一から計画しキョウダイ達をあんなふうに集めて、ちよちゃんに色々と吹き込んだのも全て松陽の仕業だった。そんな事だろうとは思った。
もし目の前で誰かが血を吐いて倒れたら、いったいどんな対応をするのか。私の人間性を手っ取り早く皆の目に焼き付けたかったのだとか。
……まぁ、趣味の悪い作戦なこった。
けど、ちよこれいとケーキの件は、ちよちゃんの口から発せられた事実と聞いてまたじんわりした。
「Aちゃん! 遊郭に行くで!」
「A。ぱふぇを食べに行きましょう」
「その温度差なんなの」
遊郭なんてふしだらな言葉を純白の笑顔で言ってみせたちよちゃん。
ぱふぇ食いに行こうぜ、とか言いつつ食料品のまとめ買いに付き合わせるつもりであろう松陽。
誰だちよちゃんに遊郭なんて淫語教えたヤローは。
「羽場さん。君のような女の子にはそういう場所はまだ早い。それに遊郭は男性が自分の欲を満たすための場所であって女性はむしろ」
「ぱふぇ食いに行こうぜ松陽」
「行ってきます、この話はまた後日という事で」
「ええーっ気になるよ松陽先生ー! 待ってよAちゃーん!」
待ってたまるか。
てか後日も喋らせねぇ。
「A、手を繋ぐのと肩車どちらがいいですか?」
「抱っこ………………、何もいらない」
「いま抱っこと言いましたね。もう一度お願いします」
「言ってない!! なんでワンモアプリーズしてんだ!」
「かわいらしかったので、もう一度聞きたくなったんですよ」
松下村塾の門を抜けると、いつものように転がっていた白猫が頭に乗ってきた。
人の頭の上で二度寝を決め込もうとするソイツを腕に抱きかえ、ふさふさの腕を掴み、松陽にぺしぺし叩きつけてやる。
「肉球パンチって気持ちいいですね」
「マッサージ感覚だよこいつ!!」
「にゃにゃにゃんにゃ!」
「相変わらず仲良しですね」
「そんなんじゃ、うわっ」
ぴょいっ、と腕の中からバカ猫が抜け出した。
突然の反発に止めることができず、そのまま塀を登り、駆け、どこかしらの民家に逃がしてしまった。
「あー……パンチに利用したの怒ったのかな」
「いや、何かただならぬ様子に見えましたが……。とにかくぱふぇは後回しに猫さんを探しますよ、A」
「………はーい」
09/親方!空から男の子が!→←07/あー、やっぱり大家族で。
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佑依佳 - 万屋よ永遠なれは書かないんですか (5月8日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか?これからも頑張ってください!! (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか? (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:糸針 | 作成日時:2018年9月21日 23時