14/全く描写されてなかった刀 ページ14
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【A視点】
「ウチの弟が世話になったらしいな」
子供にしては薄汚れた、三十路にも見えかねない笑顔で木刀を片手に二人のガキを囲む集団。特に先頭の下がり眉ときたら公衆便所さながらの面だ。
まるでネチネチした女子だなありゃ。
群れを作り、たったの少数に襲いかかるタチの悪い腰抜けヤロー。
「稽古上での遺恨を私闘ではらそうとは、それでも武士を目指すものか！」
品の良さそうな奴が最もな意見を発す。
が、ネチネチドロドロネチャネチャしたお坊ちゃんには通じなかったようだ。
「まとめてたたんでしまえェ！！」
背の低いバカな方のお坊ちゃんは、「侍なんていねェよ」と吐き捨てた。
「………」
気が付けば、松陽から譲り受けた刀を投げていた。
「ヒィッ！？」
「し、真剣……！？」
双方の間に突き刺さった刀は、灰色の煙を少しだけ漂わせその斬れ味を強調。
途端に怯みを見せたネチネチ共はおもむろに、私を見上げた。
「ギャーギャーギャーギャー、やかましいんだよ」
「───！」
「発 情期か。てめーら」
季節外れにも程があるよ。
こんな時期に盛るだなんて。
そうつけ加え、重い腰を上げた。
「ゆとりがネチネチするんじゃねーよ。気持ちわりーよ。ハンパなサボりならさっさと寺子屋に帰って貧相なその棒でお互いの穴でも突き合ってな」
「き、貴様は！！ あの時のクソおん」
「知りません」
ぐしゃっ！
何か言いかけたヤローの顔面に着地した。
後ろから濃い視線を感じたが、それはこれっぽっちもネチネチしていない。
「てめーみたいな知り合い、私は作らないよ。馬鹿は嫌いなんだ。後ろで惚けてるバカは知らないけど」
紫がかった髪のお坊ちゃんに皮肉な笑を見せつける。
「……お前、暇なのか」
「さてな。アンタがそう思うならそうなんじゃないの？」
バカなお坊ちゃんから、馬鹿なゆとり共に顔を向け直し言った。
私からすれば、アンタも充分暇そうに見えるよ。
人生をすげーつまんないって思って生きてそうな顔してる。
「この女ァ！ 高杉の手の者か！！」
「高杉？ 誰？」
「とぼけるな！！ 貴様の後ろにいるチビの事だよ！」
「ああ。やっぱりチビ認識なんだ。女の私とまるで同じだもんな肩の位置とか」
高杉くんを振り返ってうんうん頷く。
「まァそう焦るな低杉くん。これから成長期がくるさ。そしたら私と全く同じなんてことはなくなる。多分」
「お前は俺をバカにしに来たのか？」
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佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (
レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか？これからも頑張ってください！！ (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか？ (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
白虎 - 続きを読みたいのですが、パスワード教えてくれませんか？ (8月16日 23時) (レス) @page3 id: ec81a6d504 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2018年9月21日 23時
