12/パフェは一口目が一番美味い ページ12
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【A視点】
「よかった。猫さん、無事に見つかったんですね」
集合場所にと指定されたお店に着いた途端、松陽の手のひらが頭に乗った。
店員さんにふっと笑われ、道行く人に微笑ましそうにチラチラ見られ、肩からぴょいっと地面に飛び下りたばか猫にまでへっと笑われる。
頭を撫でられるのは嫌いじゃない。むしろ嬉しいけど、人目の多いところではやめてほしい。
「恥ずかしいだろ松陽っ」
「おや、嫌でしたか？」
「嫌じゃないけど……」
ほら、周り。
と目で訴えた。
「ああ」
察してくれたらしくスッと手を引いた松陽。
ホッと一息ついていたら浮遊感に見舞われた。何だか足がぷらぷらするような。こう、地に足ついていない感じ。
何だろう、あれ、日向の匂い。
「では抱っこにしますね」
「何でだよ」
もう考えるのもバカらしくなってきた。
最初からどうでも良さそうにしていたバカ猫はと言えば、眠そうなジト目で松陽の歩幅に合わせて歩いている。
「すみません、苺ぱふぇを二つ」
「はい。かしこまりました」
大声で騒いでも余計に目立つだけだろう。
言ってやらないけど、
……松陽に抱っこされるの、やっぱり好きだ。
「さて───」
右奥のテーブル席に腰掛けた松陽は私を膝の上にとどめたまま、自分の足元に寝そべったバカ猫を一瞥すると笑顔を少し解いた。
この状態でぱふぇ食うのかよ。
なんて思ったら、髪の毛に温い指が触れた。
「A。またヤンチャしてきましたね？」
「！？ ……、別に」
「頬が切れて血が出てますよ」
………石の破片か。
しまった、ちゃんと確認してから来ればよかった。
私の頬をハンカチでそっと拭いながら、苺ぱふぇを届けてくれた店員さんに軽く会釈する松陽。
鼻の奥にまで香る、甘い匂いに涎が大量生産された。
「女の子なんだから、少しは自分に気を遣ってあげなさい」
「……うん」
「顔に傷でものこったら大変です」
「うん、だいひょうぶらよ」
「食べながら喋らない」
コツン、つむじに軽いゲンコツが落とされた。
「銀君も、ヤンチャは程々にね」
「にゃー……」
バカ猫はわざとらしい声で鳴いた。
絶対反省してないよコイツ。いつものぶっきらぼうな締りのない顔だよ。
「……え、銀君って誰？」
「猫さんの名前です」
「なんで銀？ 毛は白いのに」
「なんとなく。直感で決めました」
「ふーん」
確かに、しっくりくるかも。
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佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (
レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか？これからも頑張ってください！！ (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか？ (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
白虎 - 続きを読みたいのですが、パスワード教えてくれませんか？ (8月16日 23時) (レス) @page3 id: ec81a6d504 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2018年9月21日 23時
