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『……ちょっと今日はやり過ぎたかな…』
オフィスでは機械の不調を訴えて進まなかった記事が嘘のように進んでいく。スムーズなタッチタイピングで文字を羅列しながら独り言をポツリと呟いた。
実は本当に嘘なのである。Aは簡単なプログラムなら一時間以内で組みあげられるくらいに機械に明るい。だけど、人並み以上に出来るパソコンスキルを封印することで、笑えてくるぐらい人間関係は円滑に進むもんだから。
適応機制。
または、防衛機制ともいう。
人間は欲求不満を別のとこに置き換えることで自分自身を満足させる無意識の行動や態度をとることがあるらしい。
その中の「補償」という心理をAは利用した。
劣等感を抱く分野…ここではAが書き上げてきた記事達のことである。それは置いておき、ほかの分野を磨いて、Aに対し優越感を得て無意識に満足する。
そういう状況をわざわざA自身が作り上げて、劣等感を覚えている同僚らに提供したのだ。
天然？ぶりっ子？あざとい？腹黒？
なんとでも言われてもいい。
人間の心理を利用することはAが復讐する為に勉強した、ひとつの武器であったから。
その狙いが上手く当たって、AはQuizKnock内でそれなりの自分の居場所と、それなりに人間関係を築くことができた。
ただそれだけのこと。
特別、QuizKnockに献身的になるつもりもない。特別、仕事仲間と仲良くなるつもりもない。可もなく不可もなく。ただそれだけのこと。
QuizKnockはAにとって復讐するためのひとつの道具でしかなくて、Aが今操っているパソコンと同レベルなものだった。
だから当然のこと、いくら人気があろうとも、いくらテレビに出てようとも、いくら顔が美形であっても。
そこに所属している人間になんて興味さえ湧かなかった。
『…まだパソコンのほうが、機能とか気にするか…』
Aは記事の最後の改行のエンターキーを軽く弾むように右手小指で押しながら、一人なのに可笑しくてくすくすと笑っていた。
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わらべ(プロフ) - 和奏さん» とても返信遅くなりましたがコメントありがとうございます！夢主のこと好きって言って貰えてこれ以上ないくらい幸せです！ひとくせある子が好きなので今回の夢主も気に入っていただけると嬉しいです！また読みに来てくださいませ！ (2022年1月23日 20時) (
レス) id: de37784df7 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - わらべさんのお話はどれも夢主ちゃんのことが大好きになるので不思議です…更新のたび覆されてワクワクするし最高です〜！これからも応援してます。 (2021年12月31日 23時) (レス) @page44 id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - すみれさん» コメントありがとうございます！好き嫌いが極端に出そうで中々進んで行かない作品ですが、本当に書きたいものを書きたいままやっていました！そこで1人でも好きと言っていただけたので本当に嬉しいです！更新は遅めですが頑張ります！ (2021年10月11日 20時) (レス) id: 34cdc8231e (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - めっちゃ好きです〜更新楽しみにしてます！！ (2021年10月8日 17時) (レス) id: 84d3b4ed7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらべ | 作成日時：2021年4月17日 12時
