序章 ページ1
親のスネかじり。引きこもり。ニート。
大きな節目である20歳が近づいた私に付けられた今の名前がそれらだった。
好きな時間に起きて。
好きな時間に寝て。
私が今家族として言えるのは父親ひとり。中学二年生で私が登校拒否になり、高校にも行かず引きこもりになったせいで、母親も心を病み、私のせいで両親は仕方なく離婚した。
それからというもの、父親から隠れるように冷蔵庫から食べ物を盗みを口にする。洗濯物は扉の前に放り出す。父親が寝静まった夜中に風呂に入る。
酷すぎる生活だと思う。
私の事を考えて私のことを誰も知らない場所に引越ししてくれて、身の回りの世話をしてくれて、一緒の家に暮らしている父親の顔も、父親が連れていってくれる心療内科の行き帰りくらいしか見ることはなかった。
喋る相手は心療内科の先生への一言、二言のみ。エアコンかドライヤー以外の風に触れる機会も月に2回くらい。
こんな生活を長い間しているのにも関わらず、AAはしぶとく生き残った。自ら命を絶つ勇気もないので、いっそのこと大きな病気にかかってくれやしないかと願ってきた。
このままベットに横になったまま死んで、もっともっと価値のある人に私の臓器を譲って欲しい。
なーんて、考えていた私に突然の転機が訪れた。
どこを見ても白色の銀世界だった雪国にも少しずつお天道様が顔を出す時間も増えてきた。
白に閉ざされていた景色から少しずつ色彩が増えていく季節に移ろう。
進学、進級、就職。
新生活になり不安や期待で気持ちが浮きだつであろう新しい春が訪れようとも、自分は相変わらずひきこもっているから関係ない。
閉め切ったカーテンの外では雨音がしている。そこまでの大雨でもなく、強風にあおられてもいない真っ直ぐに地面に落ちる柔らかな雨の音が朝からずっと聞こえていた。
ここ最近、カーテンも開けてないな。
部屋の電気もつけていないな。
何もかも面倒くさくて…。
ベットに寝転んで唯一の光源のテレビをボーッと眺めている。そんな日々。
卒業シーズンはテレビの改変時期らしく特番ばかり。たった今流れている番組もその中のひとつでしかなかった。
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わらべ(プロフ) - 和奏さん» とても返信遅くなりましたがコメントありがとうございます！夢主のこと好きって言って貰えてこれ以上ないくらい幸せです！ひとくせある子が好きなので今回の夢主も気に入っていただけると嬉しいです！また読みに来てくださいませ！ (2022年1月23日 20時) (
レス) id: de37784df7 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - わらべさんのお話はどれも夢主ちゃんのことが大好きになるので不思議です…更新のたび覆されてワクワクするし最高です〜！これからも応援してます。 (2021年12月31日 23時) (レス) @page44 id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - すみれさん» コメントありがとうございます！好き嫌いが極端に出そうで中々進んで行かない作品ですが、本当に書きたいものを書きたいままやっていました！そこで1人でも好きと言っていただけたので本当に嬉しいです！更新は遅めですが頑張ります！ (2021年10月11日 20時) (レス) id: 34cdc8231e (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - めっちゃ好きです〜更新楽しみにしてます！！ (2021年10月8日 17時) (レス) id: 84d3b4ed7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらべ | 作成日時：2021年4月17日 12時
