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そして、その日からまた2週間が経った。
何とか取り繕っていたライター業務にも少しずつ影響してきており、記事の締切に間に合わなかったり、記事自体も誤字脱字が目立つようになってきた。
今日は診察日。
あれから欠かさず薬を服用しているが、体調もメンタルも睡眠不足もどれひとつとっても改善されていない。
正直な話、メンタルに左右されて出来ないことが多くなると余計に自分の存在に自信が無くなる。今なら胡散臭い宗教の勧誘にさえ引っかかってしまいそうなくらいAのメンタル面の地盤は揺らいでいる。
それでも代わり映えしない診察内容。医師から「お大事に」という言葉に礼儀的に会釈して受付に向かった。
すると、
「かわむらさん」
近くの診察室から看護師が名前を呼んでいた。そこまで珍しい苗字じゃないが、知り合いと同じ苗字が呼ばれていたら気になってしまう。
ジロジロと見るつもりなんてAにはなかったがそちらになんとなく目を動かすと、マスクを付けている男性と目が合った。
そして…。
目が合った男性はAがその苗字から連想した知人、本人だった。
あちらもAに気づいたようで彼の独特な雰囲気を余計に妖しく魅せるよく似合う丸メガネを掛けた、その奥の目が大きく見開いていた。
何か言わなきゃ…。
Aはそう思うものの、誤魔化しの言葉も。否定の言葉も開いた口の中から出て来てくれない。今は夏、寒くないのに奥歯がガチガチと噛み合っていない音を立てている。
元々、何年も人とコミュニケーションを取っていないA。
そのAが身につけた付け焼刃のコミュ力なんてたかが知れている。突然の場面でトラブルを乗り越える咄嗟の言葉など出てくるはずもない。
バレてしまった。まずい。やばい。
その異常事態にAの中で限界のキャパシティを超えて体が危険信号を出す。
ヒューヒューと喉の奥が喘鳴を立て始めた。
二酸化炭素を必要以上に吐き出してしまう過呼吸。Aはやばいと感じて呼吸を遅くしようと試みるが過呼吸であることを理解すると余計に息がしずらくなる悪循環に陥っていく。
すると、看護師がすぐにやってきてくれた。人の視線を感じない場所へ連れていかれる。もちろん何か言おうと口を開いた河村の姿も見えなくなった。
指を組んでギュッと握り、肩まで動いて引き攣る呼吸をなるべく遅くする。
自分のことを見ていた河村の驚いた表情をAは思い出すと震えと涙は中々止まってくれなかった。
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わらべ(プロフ) - 和奏さん» とても返信遅くなりましたがコメントありがとうございます！夢主のこと好きって言って貰えてこれ以上ないくらい幸せです！ひとくせある子が好きなので今回の夢主も気に入っていただけると嬉しいです！また読みに来てくださいませ！ (2022年1月23日 20時) (
レス) id: de37784df7 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - わらべさんのお話はどれも夢主ちゃんのことが大好きになるので不思議です…更新のたび覆されてワクワクするし最高です〜！これからも応援してます。 (2021年12月31日 23時) (レス) @page44 id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - すみれさん» コメントありがとうございます！好き嫌いが極端に出そうで中々進んで行かない作品ですが、本当に書きたいものを書きたいままやっていました！そこで1人でも好きと言っていただけたので本当に嬉しいです！更新は遅めですが頑張ります！ (2021年10月11日 20時) (レス) id: 34cdc8231e (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - めっちゃ好きです〜更新楽しみにしてます！！ (2021年10月8日 17時) (レス) id: 84d3b4ed7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらべ | 作成日時：2021年4月17日 12時
