シルバーリング２ (ページ9)

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翔｢あのさ…ずっと言おうと思ってタイミングがなかったんだけど…やっぱり言うね。付き合ってるんだから名前で呼んで欲しい。｣

｢名前ですか！？恥ずかしいです…｣

翔｢お願い。翔って呼んで。｣

そんな子犬みたいな顔されたら断れませんよっ！

｢翔…くん？｣

翔｢よく出来ました。｣

私の頭をポンポンしてくれた。

翔｢Aちゃん、目つぶって手だして。｣

何が何だか分からないまま目をつぶって手を出した。

手に何が置かれた。

翔｢目、開けていいよ。｣

｢これ…私が欲しかったやつ…｣

お土産屋さんで見てたイルカのぬいぐるみのストラップだった。

翔｢これ、お揃いで買っちゃった…学校に持っていく鞄に一緒に付けない？…っていやか。乙女みたいなことしてごめん。｣

｢んふふっ｣

あまりの必死さに笑ってしまった。

翔｢笑うなよ。いいよ。俺1人で付けるから。｣

拗ねてる姿が可愛かった。

きっと彼女にならないと見れない顔だ…

｢可愛くてつい笑っちゃいました。一緒に付けましょ。ね？本当にありがとうございます。大切にします。｣

翔｢ありがとう。｣

本当に嬉しそうな顔…

自分の部屋に行ってストラップを見てるとニヤける。

ただ、頭をポンポンされた時一瞬あの人の顔が脳裏をよぎってしまった。

考えるな…考えるな…

翔くんとの思い出だけを大切にしよう。