【場地圭介】狼さんは孤独がお好き (ページ23)

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場地side

｢つってもなぁ..... ｣

頭を掻きながら、ブラブラと歩き回る。

家で夏休みの宿題をやっていたのだが、どうにも集中できなくて出てきてしまった。

Aと話す、と決めたは良いものの、よくよく考えてみればあいつはオレを避けているのであって。

先程家を出てくる際に隣の部屋の呼び鈴を鳴らしてみたが、応答はなかった。

｢あー、わっかんねぇ！｣

頭を使うのは苦手だ。オレ馬鹿だし。

いっそ部屋の前で待ち伏せっていう手も＿＿＿

そう思った時、ドサリと何かが落ちる音と男の笑い声が聞こえた。

笑い声から判別するに、複数人いる。

なんとなく嫌な予感がして、声のする方へ向かった。

路地裏を抜けると、ひらけた空き地。

そこでの光景を見たオレの頭に、一瞬で血が上った。

近くにいた男の肩を掴んで、頬に一発拳をいれる。

ソイツは倒れて、そのまま動かなくなった。

｢テメェ等、何してんだ？その手離せよ｣
｢あ？見てわかんねぇの？これからお楽しみなんだよ。なぁ銀狼｣

髪を掴まれたAが、痛みに顔を歪める。

その頬は腫れていて、痛々しかった。

｢離せっつってんだろ！｣

蹴りをいれようとすれば、軽々と避けられる。

もう一発.....と思ったが、足元にうずくまるこいつをどうにかするのが先だ。

｢おい、しっかりしろ｣
『........け.....すけ、君.....？』
｢何があった？またオレの女と間違えられたか？｣

弱々しく首を振るA。

彼女はオレの服を掴み、小声で喋る。

『ここから.....逃がして』
｢は.....？｣
『これ、勝てる喧嘩.....じゃ、ないから.....逃げなきゃいけないの.....約束、したの』

Aは苦しそうに言葉を紡ぐ。

周囲を確認するが、とても逃げ切れる人数ではない。

｢とりあえずコイツ等を片付ける。話はその後だ｣
『待って.....駄目、無理だよ..... 』
｢テメェ何者だ？俺は銀狼に用があるんだが？｣

コイツ等がAとどういう関係なのか、気になってしょうがねぇけど.....

｢東京卍會壱番隊隊長、場地圭介だ｣

コイツ等をぶっ飛ばしてから聞くのでも、遅くはねぇよな。

髪を縛り、オレは地面を蹴った。