【場地圭介】狼さんは孤独がお好き (ページ11)

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.....やはり、他人と関わるとろくなことがない。

別に、ろくなことがないから他人と関わらない、と決めたわけじゃないけれど。

｢聞いてんのか？おい｣
『.....すみません、通してもらえませんか？』

今は何時だろう。22時過ぎか、それとも23時か。

つい昔の癖で、外の空気を吸おうと家を出たのがそもそもの間違いだったのかもしれない。

見ず知らずの不良達に絡まれるとわかっていたなら、外には出なかった。

コイツ等がさっきから、場地がどうのこうの言っているのを見るに、原因は間違いなく圭介君にあるのだろう。

やっぱ関わるのやめにするか。

｢テメェ、女だからって舐めてると殺すぞ？｣
『.....いや、通して欲しいだけなんですけど』

喧嘩をしたことがあるかと聞かれれば、答えはYESだ。

中学に上がってすぐはそうでもなかったけれど、女で腕の立つ奴がいるらしいと噂になれば(・・・・・)、腕試しを申し出てくる人達が絶えないわけで。

でもそんな生活の中で、女だから手加減してもらえるなんて、考えたこともない。

相手に敬意を払っていたからこそ、勝負の前には条件を提示した。

勝った方が、負けた方から好きなものを取れる。そんな簡単な条件。

私はいつも取る側だったし、そうでなければならなかった。

｢コイツ.....完全にオレ等のこと無視してやがるな.....わからせてやるよ｣

嗚呼、うるさい。

うるさいし、コイツ等のせいで思い出したくないことを思い出した。最悪な気分だ。

だから不良とはもう関わりたくなかったってのに.....