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自惚れないでよ ページ50



Aたちは再び席についた。パーティー中に見苦しいものを見せてしまって申し訳がない。ケイトが動画を撮っていたので、後で注意をしなければ。
エースやAがケロッとしているので、トレイやケイトはそれ以上何も触れなかった。事実、我々は普段からこんな感じの関係なのだ。

「先に手を出したのはエースだからそれは別に咎めなければならないけれど……A、キミも良くないよ。」

顔に傷が残ったら責任問題になる。リドルは真剣な眼差しでAを見た。彼の言う通り、加減はしたが拳の避け方など知らないエースに対して少し強く出すぎたかもしれない。Aは「はい、すいません」と答えた。

『トレイ先輩との契約にエースは関係ないので、ついカッとなってしまい……』

「ついカッとなったにしては間があったが……」

Aがしおらしく口元に手を当てて謝ると、リドルはあっさりと許した。逆に心配になる。すると今度はデュースが口を開いた。

「でも、流石にトレイ先輩に失礼だと思うぞ。うちの寮に戻ってきて欲しいって言ってるだけなのに、そんなに迷惑がらなくても……」

「嫌なら嫌で、契約なんてこすい手使わずにはっきり言うのが筋だろ。転寮する時も勝手に出てってたけど」

『あーはいはい、左右からうるさいのよアンタら』

彼らの顔の前でハエを追い払うように手を揺らした。こっちだってただ迷惑で辞めろと言っている訳では無い。

『……気を使ってか誰も言ってきませんけど、私が眠ってから寮同士で相当揉めたのはクルーウェル先生から聞いています。うちの寮長にも確認を取りました』

そう言うとリドルは少しバツが悪そうに目を逸らした。

『今回の件で色んな所から責任を問われて、十分苦しみました。だから』

だから。この先を言葉にして良いのか分からなくなった。こんなこと先輩に向かって言っていいはずがない。またエースに殴られるかもしれないし、デュースに引かれるかもしれない。アズールたちを守るために誰かを傷つけるのは、間違ってる。でも、言わなきゃ。
Aは暫く葛藤して、言葉を練り直した。静かになった空気を、小さく吸った。

『だから、これ以上彼らを苦しめないでください。何を言われてもここへは戻りません』

Aは深く頭を下げた。お門違いも甚だしい、自惚れるのも大概にしろ。自分にそこまでの価値なんてないのに。
それでも、自分の意思を曲げても、仲間のストレスにはなりたくないのだ。彼らのことが、好きだから。

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天(そら)(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます。この作品は自分の夢と妄想でできた自分のための夢小説なので、自分以外の誰かから評価をいただけるのは本当に嬉しいです。自己満足の作品のため期待に添えるかわかりませんが、最後までどうぞ見届けてください。 (6月4日 22時) (レス) id: 6c60cd58bf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します。作品の中に惹き込まれ、いつの間にか一日中読んでいました。こんなにも綺麗で面白いお話に出会え、心から嬉しいなと思います。これからの展開や夢主の心境の変化等、ワクワクすることでいっぱいです。これからも心から応援しております。 (6月4日 15時) (レス) @page19 id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/_sora_fleur  
作成日時:2023年5月14日 15時

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