再会と不愉快 ページ13
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『何もこんな総動員させることないでしょ……』
放課後、職員室でエースと待ち合わせをしていた。一人で運ぶには手が足りないくらいの量の教材と、生活に困らない程度の日用品をまとめてソファーに座っていると、クルーウェルに「家出か？」などと揶揄われた。逆にこの一週間が家出のようなものだったのだが。
職員室前で挨拶をしているエースの声がしたので、Aは彼を呼びに廊下へ出ようとした。しかし、ズカズカと職員室へ入ってきた彼は、他にも仲間を引き連れていた。
「なんだ、思ったよりねーじゃん」
『だからそこの三人は呼ばなかったんだけどね〜』
彼の後ろに引っ付いてきたのは、言うまでもないだろう。久しぶりの再会に感涙している監督生、その親分のグリム、そしてお馴染みデュースだ。Aは拍子抜けしたように溜息をついた。
「久しぶりだな、A。エースから聞いた。本当にもう動いて大丈夫なのか？」
『ありがとデュース。うん、流石に初日は全身バキバキだったけど』
彼と再会の握手を交わした。「本当に目が覚めてよかった」と心から安心したような声を出す彼を見る限り、かなり心配をかけていたようだ。
「本当に、Aちゃんが目覚めなかったら俺どうしようかと……」
『……ああ、監督生』
何だか気まずい。自分が勝手に一線を引いているだけなのだが、彼がアズールの隣に立っていたことも、立て続けて起こるオーバーブロットの原因を根拠もなく彼だと本気で思っていたことも、イガイガとした不快感が拭いきれない。
Aの異変に気づいたのか、それとも単に早く終わらせたかったのか、エースは割り込むように「いいからさっさと運んじゃおうぜ」とハキハキ口に出した。本当にこんなに何人も要らない。Aは苦笑いをした。
『鏡舎まで人一人で持ってこれたのに、こんなに何人も要らないんだよ？』
「……誰が持ってきたの？」
『ユーゴ先輩……寮の先輩だけど？』
監督生は「その人、Aちゃんの部屋に入ったの？」と言った。その口角は上がっているが、目は笑っていない。部屋に入らなければ荷物が取れないのだから当たり前である。
『も〜ちゃっちゃとやっちゃお！みんな購買で何でも好きな物奢ってあげるから』
「ヤッター！何にするか迷うんだゾ！」
Aはグリムにも持てそうな通学カバンを渡した。一人一人の手持ちが少なくなった分、軽い足取りで鏡舎まで着いた。久しぶりに見る寮への扉に、Aは何だか緊張していた。
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天(そら)(プロフ) - ｍさん» コメントありがとうございます。この作品は自分の夢と妄想でできた自分のための夢小説なので、自分以外の誰かから評価をいただけるのは本当に嬉しいです。自己満足の作品のため期待に添えるかわかりませんが、最後までどうぞ見届けてください。 (6月4日 22時) (
レス) id: 6c60cd58bf (このIDを非表示/違反報告)
ｍ(プロフ) - コメント失礼します。作品の中に惹き込まれ、いつの間にか一日中読んでいました。こんなにも綺麗で面白いお話に出会え、心から嬉しいなと思います。これからの展開や夢主の心境の変化等、ワクワクすることでいっぱいです。これからも心から応援しております。 (6月4日 15時) (レス) @page19 id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天 | 作者ホームページ：https://marshmallow-qa.com/_sora_fleur
作成日時：2023年5月14日 15時
