エピローグ ページ29
「ふと考え直して君のところに来たかいがあったよ。まさかこんな所にシビュラシステムの謎が記された資料があるとは思ってもいなかったからね」
「……それ以上は言わないで下さい。折角ここまで来たんです。俺は俺なりにこの先にあるシビュラの真実を自分の目でみたい。その時の興奮はきっと、今まで感じてきたどのような感情にも勝ると俺は信じています」
「それが君の抱く思想であるならば、僕は邪魔をしないよ。これから起こる決戦を前に、シビュラの真実を前もって知ることができたのは他ならぬ君のおかげだ。それには本当に感謝する」
「止めてください。らしくないですよ?それは俺が好きなようにやった結果生まれた副産物なんです。喜んでいただけたのなら良かったです。ただ……」
「ただ?」
「この先にある物をあなたと一緒に見たかった。変ですかね?俺がこう思うのって。今まで自分が何者なのかすら分からなかった時、あなたは私に存在を与えてくれた。俺にとってあなたは恩人なのですから」
「……『我思う故に我あり』」
「デカルト、でしたっけ?」
「あぁ。全ての存在を疑うことはできるが、それを考える自分自身だけは絶対である。僕は君に存在を与えたわけではない。それに気づく為のきっかけを与えただけだ」
「それでも俺は……」
「それ以上は何も言わなくてもいい。これが最後の別れと言うわけではないんだ。全てが終わってからまた僕も見させてもらおう」
「……その通りですね。申し訳ありません」
「僕が最上階まで上がったのを確認したら、全てのエレベーターを使用不能にしてくれ」
「分かりました」
「それじゃ健闘を祈るよ。チェ・グソン」
「健闘を祈ります。槙島さん」
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←P26 6月18日
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明里香(プロフ) - エピローグじゃなくて、プロローグです。 (2022年10月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロリス | 作成日時:2013年11月18日 23時