P15 7月30日 ページ17
伴仁に報告をしてから約一週間。
当然の如く研究は何一つとして進んでいない。
研究員も他の機関から別の研究をしないかと勧誘をされる日々が続いている。
研究半ばでその誘惑に負け、先に抜けていった研究員も少なからずいる。
勿論私はそのことを咎めはしない。
彼等にだって生活はある。
次の仕事のことを考えなければならないのは当然だ。
研究員の中には最後まで諦めずに頑張りましょう！
……と、言ってくれる者もいるがその者達が別の機関に移籍済みなのは既に知っている。
現時点で事実上私の研究に集中して取り組む者は居なくなったといってもいいだろう。
未来無き研究に意味はない。
まさかそれに私が当てはまるとは夢にも思っていなかったな……
神は本当にいるのかもしれない。
報われる者。
報われない者。
その２つが存在するようバランスよく世界は構成されているのだから。
今朝厚生省のニュースの中に目を見張る記事があった。
それは絶対不可能だとされていた[脳と機械の結合]。
つまりは脳を体と切り離して機械と接続することで機械の体を得ることができるのだ。
完全なるサイボーグの実現の更なる第一歩。
世界はその話題で持ちきりである。
全く羨ましい限りだ。
その研究者は後生まで名を残す大科学者になるだろう。
義手や義足のサイボーグ化は確立されている。
内臓の機械化も残すは心臓のみと聞いている。
そして脳と機械の結合。
もし、人の脳を機械に置き換えることができるのならそれはもう完全なサイボーグどころの話ではない。
不老不死の時代の到来だ。
私が生きている間にそこまで進めばいいが……まぁ無理だろう。
そこはあまり期待していない。
今の技術では体の20％を機械化するのが精一杯だ。
だが脳を機械に置き換えることができないまでも、脳以外の全てを機械化するのは案外近い未来なのかもしれない。
私もこのような……
未来に夢を持てるだけの研究を実現させたかった……
研究停止まで残り24日
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明里香(プロフ) - エピローグじゃなくて、プロローグです。 (2022年10月20日 23時) (携帯から) (
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作者名：シロリス | 作成日時：2013年11月18日 23時
